この記事の結論
千代田区には、AIレジやクラウド会計ソフトなどのデジタルツール導入費用を直接対象とする区独自のIT・AI導入専用補助金は、2026年9月10日時点で千代田区公式サイトに確認できません。区の「各種助成金」ページ(地域振興部商工観光課所管)に掲載されているのは、産業財産権(特許・実用新案・意匠・商標)の新規取得費用を補助する「産業財産権取得支援事業」(最大20万円)と、展示会出展費用を補助する「中小企業販路拡大事業支援補助」(最大10万円・条件により20万円)、そのほか雇用・仕事と家庭の両立に関する助成金です。千代田区でAI・デジタル化に補助金を使う場合の中心は、(1)東京都中小企業デジタル導入促進補助事業(助成率1/2以内・小規模企業者等は2/3以内、助成限度額最大150万円)、(2)デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金、通常枠は最大450万円、インボイス枠は最大350万円)の2つです。千代田区は2026年4月から補助金申請の多くを「千代田区事業者ポータルサイト」に移行しており、GビズIDでの申請準備を早めに進めておくと国・都の制度にもそのまま活用できます。最新の制度内容・申請期間は必ず各公式サイトでご確認ください。
千代田区で使えるデジタル化・AI導入補助金の全体像(2026年9月版)
「千代田区でAI・デジタル化の補助金は使えないか」と探している事業者の方へ、2026年9月10日から11日にかけて千代田区公式サイト・東京都中小企業振興公社・国の各公式サイトを確認して整理した最新情報をお伝えします。大手町・丸の内・霞が関のオフィス街から、神田・秋葉原の卸売・電気街、神保町の出版・書店街、九段・飯田橋周辺まで多様な業種の中小企業・個人事業主が集まる千代田区ですが、AIレジやRPA、クラウド会計ソフトの導入費用を直接対象とする区独自のIT・AI導入補助金は見当たりません。区独自の助成金としては産業財産権の取得支援や展示会出展費用の補助はあるものの、いずれもAI・デジタルツールそのものの導入費用を対象とするものではなく、AI・デジタル化の資金は主に東京都と国の制度を活用することになります。
| 制度 | 運営主体 | 補助率 | 上限額の目安 | AI・デジタルツール導入の扱い |
|---|---|---|---|---|
| 千代田区独自制度 | 千代田区(地域振興部商工観光課) | 制度による | 制度による | IT・AI専用の補助金は無し(産業財産権取得支援・販路拡大補助等はあり) |
| 中小企業デジタル導入促進補助事業 | 東京都中小企業振興公社 | 1/2以内(小規模企業者等は2/3以内) | 150万円 | 可(デジタルツール本体費・初期設定費等) |
| デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) | 中小企業庁(中小機構) | 1/2以内(賃上げ要件で2/3以内) | 450万円 | 可(業務効率化ソフトウェア全般) |
| デジタル化・AI導入補助金2026(インボイス枠) | 中小企業庁(中小機構) | 3/4〜4/5(ソフト部分・条件による) | 350万円 | 可(会計・受発注・決済ソフト、レジ等のハードも一部対象) |
2026年9月10日時点で確認できる範囲
- 千代田区公式サイトの「各種助成金」ページに、AIツールやITシステムの導入費用そのものを対象とする区独自の補助金は2026年9月10日時点で千代田区公式サイトに確認できません。
- 区独自の助成金として実在するのは、特許・商標等の新規取得費用を補助する「産業財産権取得支援事業」(最大20万円)と、展示会出展費用を補助する「中小企業販路拡大事業支援補助」(最大10万円・条件により20万円)です。いずれもAI・デジタルツールの購入費は対象外です。
- 区内事業者がAI・デジタル化に使えるのは、主に東京都中小企業振興公社の制度と国のデジタル化・AI導入補助金2026です。
- 千代田区は2026年4月から「千代田区事業者ポータルサイト」を通じたオンライン申請への移行を進めており、GビズIDの取得が区・都・国いずれの制度でも役立ちます。
以下では、千代田区独自制度の現状(実在する2つの助成金と事業者ポータル)、東京都・国の制度の詳細、申請ステップ、千代田区の中小企業に多い活用パターンの順に解説します。
千代田区独自のIT・AI導入専用の補助金は無い(2026年9月10日時点)
千代田区地域振興部商工観光課が所管する「各種助成金」ページ(更新日:2022年8月3日)を確認すると、2026年9月10日時点で掲載されている制度は、産業財産権取得支援事業、中小企業 仕事と家庭の両立支援、次世代育成支援行動計画策定奨励金、中小企業販路拡大事業支援補助(展示会出展)、区内で障害者を雇用する人等への援助金の5件です(出典:千代田区公式サイト「各種助成金」)。AIレジ・RPA・クラウド会計ソフトなど、デジタルツール導入費用そのものを直接補助する区独自の制度は確認できませんでした。区の産業振興施策を体系的にまとめた「千代田区中小企業支援ガイドブック(2024年度)」(更新日:2024年10月17日)でも、区独自メニューに加えて国・都その他の支援機関の情報が掲載されていますが、区が単独で実施するIT・AI専用の補助金は同様に見当たりません(出典:千代田区公式サイト「中小企業支援ガイドブック」)。
他区の「経営力強化支援事業補助金」等と混同しないこと
他区の中には、ホームページ制作やIT・デジタル対応の費用が対象になる区独自の補助金制度を持つところもあります。しかし千代田区公式サイトには、同種のIT・AI専用制度は2026年9月10日時点で確認できませんでした。区をまたいで補助金を探す際は、制度名・上限額を必ずその区の公式サイトで確認してください。
実在する区独自の助成金(1)産業財産権取得支援事業(最大20万円)
千代田区が実際に実施している区独自の助成金のひとつが「産業財産権取得支援事業」です。特許権・実用新案権・意匠権・商標権を新規に取得する際の出願料・審査請求料・特許料・登録料・図面作成費・弁理士や弁護士への支払費用・電子化料金の一部を補助するもので、AI・ITツールの導入費用そのものではなく、あくまで知的財産の取得費用が対象です(更新日:2026年4月21日、出典:千代田区公式サイト「産業財産権取得支援事業」)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率・補助上限額 | 補助対象経費の2分の1、または補助限度額20万円のいずれか低い額(同一年度内1回限り) |
| 対象者 | 常時使用する従業員10人以下の中小企業者等(区内に1年以上の本店所在地・営業実態があること) |
| 対象外 | バーチャルオフィスの事業者、医療法人・学校法人・宗教法人・社会福祉法人・NPO法人・公益法人、更新・譲渡・移転等の経費、外国出願に係る経費 |
| 申請方法 | 令和8年4月1日から千代田区事業者ポータルサイトでのオンライン申請(GビズID プライムまたはメンバーが必要) |
AI関連の技術を自社で開発し、その名称やロゴを商標登録したり、独自のアルゴリズムを特許出願したりする場合には、この制度が間接的に使える可能性がありますが、AIツール・ソフトウェアの購入費用そのものは対象外である点に注意してください。問い合わせ先は千代田区地域振興部商工観光課産業企画担当(03-5211-4124)です。
実在する区独自の助成金(2)中小企業販路拡大事業支援補助(展示会出展、最大10万円・条件により20万円)
もうひとつの区独自助成金が「オンライン展示会への出展も対象!中小企業販路拡大事業支援補助」です。区内中小企業者が自社の製品・技術・サービス等を展示会(オンライン開催を含む)に出展する際の出展小間料・装飾費・備品レンタル費の一部を補助します(更新日:2026年4月21日、2026年9月10日時点で申請受付中、出典:千代田区公式サイト「中小企業販路拡大事業支援補助」)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 補助対象経費の3分の2(千円未満切り捨て) |
| 補助限度額 | 10万円(創業後10年以内で認定商工団体に所属、または千代田ビジネス大賞受賞から1年以内かつ認定団体に所属のいずれかに該当する場合は20万円) |
| 対象経費 | 出展小間料・装飾費・備品レンタル費(設営費・周知費・運送費・人件費・消費税は対象外) |
| 申請方法 | 令和8年4月1日から千代田区事業者ポータルサイトでのオンライン申請(GビズIDが必要)・展示会出展後に申請(1申請者あたり年度内1回まで) |
AI関連製品やITサービスを展示会(IT・AI系の展示会やオンライン展示会を含む)に出展する費用であれば、この補助の対象になり得ます。ただし、あくまで出展費用の補助であり、AIツール・システムの導入費用を直接補助するものではありません。問い合わせ先は産業財産権取得支援事業と同じ千代田区地域振興部商工観光課産業企画担当(03-5211-4124)です。
千代田区事業者ポータルサイト:補助金申請のオンライン窓口(2026年4月開設)
千代田区は2026年4月から「千代田区事業者ポータルサイト」の運用を始め、補助金申請や各種届出をオンラインで一元的に行える仕組みに切り替えています(更新日:2026年4月6日、出典:千代田区公式サイト「千代田区事業者ポータルサイト」)。GビズID(プライムまたはメンバー)でログインするのが原則で、産業財産権取得支援事業・中小企業販路拡大事業支援補助とも、令和8年4月1日以降はこのポータル経由のオンライン申請が基本になりました。GビズID以外にメールアドレスでの登録も可能ですが、補助金の申請など法人の真正性が求められる手続きでは利用が制限される場合があります。GビズIDプライムの取得には審査で時間がかかる場合があるため、区の助成金だけでなく後述する国・都のデジタル化補助金への申請も見据えて、早めに取得しておくことをおすすめします。問い合わせ先は千代田区政策経営部デジタル政策課(03-5211-4298)です。GビズIDの取得手順自体は本サイトの別記事「GビズID申請ガイド」でも解説しています。
千代田区創業支援事業は税制優遇の認定制度で、現金給付の補助金ではない
千代田区には「千代田区創業支援事業」という制度もありますが、これは創業予定者・創業後5年未満の方に対し、区役所内のワンストップ相談窓口や、公益財団法人まちみらい千代田の「ビジネス起業塾」、東京商工会議所千代田支部の創業窓口相談などを通じて特定創業支援事業を受けると、会社設立時の登録免許税の軽減(0.7%から0.35%へ)や東京都創業融資の利率優遇(0.4パーセント優遇)などが受けられる認定制度です(更新日:2026年3月6日、出典:千代田区公式サイト「千代田区創業支援事業」)。IT・AIツールの導入費用を直接現金で補助する制度ではない点に注意してください。
東京都中小企業デジタル導入促進補助事業2026:最大150万円
東京都中小企業振興公社が実施する「中小企業デジタル導入促進補助事業」は、都内中小企業・個人事業主が新たにデジタルツールを導入する費用の一部を助成する制度です。千代田区内の事業者も都内全域が対象のため申請できます(出典:東京都中小企業振興公社「中小企業デジタル導入促進補助事業」、2026年9月10日閲覧)。
中小企業デジタル導入促進補助事業 基本情報(令和8年度)
助成率
対象経費の1/2以内小規模企業者・環境負荷軽減ツール導入は2/3以内
助成限度額
最大150万円申請できる助成金の下限額は5万円
対象
都内中小企業者等会社・個人事業主・中小企業団体
対象経費
新たに導入するデジタルツール購入費(本体)+初期設定・カスタマイズ・運用保守サポート費の一部
対象外経費
ハード機器(PC・タブレット端末等)、汎用性の高いソフトウェアOS・セキュリティソフト・表計算/文書作成ソフト等
令和8年度の申請期間
第1回:2026年6月11日〜7月3日(終了)第2回:2026年9月頃受付予定(募集開始日は本記事執筆時点で未確定)
AIレジ・クラウド会計などのデジタルツールは対象になるか
対象経費は「新たに導入するデジタルツール」の本体費用と、初期設定・カスタマイズ・運用保守サポート費の一部です。AIレジ、クラウド会計ソフト、予約管理AI、需要予測AIなど、業務のデジタル化に資するツールは幅広く対象になり得ます。一方で、PC・タブレット等のハード機器単体や、OS・セキュリティソフト・表計算ソフトなど汎用性の高いソフトウェアは対象外と明記されています。なお、設備の稼働状況を可視化するソフトウェアと接続する専用機器を含める場合は助成上限額20万円、スマートレジ等の専用ハードウェアを含める場合は助成上限額75万円という個別ルールもあります。導入したいツールが対象経費に当てはまるかどうかは、申請前に東京都中小企業振興公社(03-4446-9058・平日9時から16時30分)へ直接問い合わせることを強くおすすめします。東京都のデジタル化補助金全体を横断的に知りたい場合は、本サイトの「東京都のAI・デジタル化補助金2026」もあわせてご覧ください。