介護業がデジタル化・AI導入補助金を使うべき理由
介護業界は今、深刻な人手不足・業務過多・離職率の高さという三重苦に直面しています。介護職員の確保難は全国的な課題であり、一方で介護需要は団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題を過ぎてなお増加の一途をたどっています。このような状況において、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を活用した業務のIT化・AI化は、介護事業所が生き残り・成長するための最優先課題のひとつとなっています。
介護記録・ケアプラン作成・シフト管理・請求業務——これら煩雑な事務作業に追われることで、本来の介護ケアにかける時間が失われています。補助金でITツールを導入し、事務工数を大幅に削減することは、スタッフの離職防止にも直結します。
介護事業所がデジタル化・AI導入補助金を活用すべき3大理由
1. 記録・事務作業の大幅削減:介護記録のデジタル化・音声入力AIで1日あたり30〜60分の記録時間を削減。残業削減・離職率改善に直結
2. 夜勤負担の軽減と安全性向上:見守りセンサー・AIカメラの導入で夜間巡視回数を削減。転倒・転落リスクを早期検知し事故を予防
3. 請求ミスの防止と収入の安定化:介護報酬請求ソフトのAI化で返戻・過誤が激減。月次の入金サイクルが安定し経営基盤が強化される
介護業のIT化の現状と課題
厚生労働省の調査によると、介護事業所のIT導入率は全業種平均と比較して依然低水準にあり、特に手書き介護記録・紙のケアプラン・FAXによる連携が当たり前となっている事業所は多数存在します。デジタル化が進まない主因は「初期費用の高さ」「ITに不慣れなスタッフ」「対応する余裕のなさ」の三点ですが、補助金を活用すれば費用面の障壁は大幅に低くなります。
| 課題 | 現状 | IT化後の効果 | 補助金対象ツール |
| 介護記録の手間 | 手書きで1日1〜2時間 | 音声・タブレット入力で15〜30分に短縮 | 介護記録ソフト(カイポケ等) |
| ケアプラン作成 | ケアマネが月20〜40時間 | AIが草案を生成・作成時間を半減 | AIケアプランツール(CareViewer等) |
| 介護報酬請求 | 手作業で返戻・過誤が発生 | 自動チェックで請求ミスをほぼゼロに | 請求ソフト(ほのぼのNEXT等) |
| 夜間の見守り | 1〜2時間ごとに巡視が必要 | センサーが異常を検知し巡視を大幅削減 | 見守りセンサー連携ツール |
| 多職種連携・情報共有 | FAX・電話で時間がかかる | クラウドでリアルタイム共有・連携スムーズ | カナミック等の地域連携クラウド |
| シフト管理 | 管理者が手作業で月20〜30時間 | AIシフト自動生成で5時間以内に | シフト管理ツール・勤怠管理ツール |
IT化による業務効率化効果:介護事業所の具体的な試算
介護事業所においてIT化・AI化を実現した場合の年間業務削減効果を、実際の導入事例をもとに試算します。
介護事業所のIT化業務削減試算(デイサービス定員30名・スタッフ10名)
介護記録デジタル化による記録時間削減
年間約150万円相当(スタッフ10名×30分/日×365日×時給1,100円)
AIケアプランによるケアマネ業務削減
年間約50万円相当(月20時間削減×時給2,500円×12ヶ月)
見守りセンサー導入による夜勤巡視削減
年間約40万円相当(夜勤0.5名分の工数削減目安)
請求ソフトによる返戻対応・修正作業削減
年間約20万円相当(月10件の返戻 → ほぼゼロへ)
合計年間削減効果(目安)
約260万円(ツール費用差し引き後の試算)
介護事業所においてIT化ツールの年間コスト(補助後の自己負担)は通常20〜60万円程度となるため、投資対効果(ROI)は極めて高い水準です。補助金を活用してさらに自己負担を圧縮すれば、初年度から黒字効果が見込めます。
補助金制度の全体像については【2026年版】デジタル化・AI導入補助金 完全ガイドをあわせてご覧ください。
介護業向けデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の概要
デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・個人事業主がITツールを導入する際の費用を国が補助する制度です。旧称「IT導入補助金」から名称が変更され、AI機能搭載ツールへの加点評価が追加された2026年版として制度が更新されています。介護業は厚生労働省が掲げるICT活用促進方針とも連動しており、介護ソフト・見守りシステム・多職種連携ツールなど幅広いツールが補助対象となっています。
対象者の条件:小規模デイサービスから社会福祉法人まで対象
デジタル化・AI導入補助金の対象者は以下の通りです。介護業の多くの事業形態が該当します。
| 事業者区分 | 主な条件 | 介護業での該当例 |
| 中小企業 | 資本金1億円以下 または 従業員100名以下(医療・福祉業) | 株式会社・有限会社が運営するデイサービス、訪問介護事業所、老人ホーム |
| 小規模事業者 | 従業員20名以下(医療・福祉業) | 小規模デイサービス、グループホーム、訪問介護ステーション |
| 社会福祉法人・NPO等 | 補助金申請の要件を満たす非営利法人 | 社会福祉法人が運営する特別養護老人ホーム、NPO運営の福祉施設 |
社会福祉法人・NPOも申請できる場合があります
IT導入補助金は本来、中小企業・個人事業主が対象の補助金ですが、公募要領の要件を満たす社会福祉法人やNPO法人も申請できるケースがあります。個人事業主・小規模事業者ほど補助率が高く設定されており、制度の恩恵を最も受けやすい立場にあります。詳細は個人事業主のデジタル化・AI導入補助金解説もあわせてご参照ください。
補助率と上限額:介護事業所が受け取れる金額の目安
2026年のデジタル化・AI導入補助金の主な補助率・上限額は以下の通りです(公募回によって変動するため、最新情報は公募要領で必ずご確認ください)。
| 申請枠 | 補助率 | 補助上限額 | 介護業での主な活用ツール |
| インボイス枠(小規模事業者) | 最大3/4 | 50万円 | インボイス対応の請求ソフト・介護記録ソフト |
| インボイス枠(中小企業) | 最大2/3 | 50万円 | インボイス対応の請求ソフト・介護記録ソフト |
| デジタル化基盤導入枠(通常) | 1/2〜2/3 | 350万円 | 介護記録+請求+多職種連携の複数ツール組み合わせ |
| 通常枠(A類型) | 1/2 | 150万円 | AIケアプラン・見守りセンサー連携システム |
| 通常枠(B類型) | 1/2 | 450万円 | 大規模な統合介護管理システム・地域包括ケアシステム |
介護事業所では特に「インボイス枠」と「デジタル化基盤導入枠」が活用しやすい枠組みです。介護報酬のインボイス対応が求められている現在、請求ソフト・介護記録ソフトのデジタル化はすぐに着手すべき課題です。
2026年の申請スケジュールと介護事業所が注意すべきタイミング
2026年のデジタル化・AI導入補助金の申請スケジュールは以下の通りです(予定。公募開始時に公式サイトで確認してください)。
| イベント | 時期(目安) | 介護事業所での対応 |
| 公募開始(第1次) | 2026年2〜3月ごろ | GビズIDプライム取得・IT導入支援事業者への相談開始 |
| 交付申請締切(第1次) | 2026年4〜5月ごろ | 事業計画書の作成・申請書類の準備完了 |
| 交付決定 | 締切後1〜2ヶ月 | この時点で初めてツールを契約・支払い可能 |
| 補助事業の実施期間 | 交付決定〜年末 | ツール導入・スタッフへの操作研修・実際の業務で活用開始 |
| 実績報告 | 事業完了後30日以内 | 支払い証明・効果報告書(介護記録時間削減等)の提出 |
| 補助金の入金 | 実績確認後1〜3ヶ月 | 指定口座に補助金が振り込まれる |
介護事業所はGビズIDプライムの取得を最優先に
補助金申請に必要なGビズIDプライムの取得には2〜4週間かかります。介護事業所は日常業務が忙しく申請書類の準備に時間を要するため、公募開始の2ヶ月前から準備を開始することを強くお勧めします。GビズIDの申請方法はGビズID申請完全ガイドでわかりやすく解説しています。
LIFEデータ連携対応ツールで加点を獲得する
介護業特有の重要ポイントとして、厚生労働省のLIFE(科学的介護情報システム)へのデータ連携に対応したツールを選ぶことで、補助金審査での加点が期待できます。
LIFEは2021年に運用開始された介護情報データベースで、入力したデータをもとにフィードバックを受け取り、科学的根拠に基づく介護(科学的介護)を実践できます。2024年の介護報酬改定でLIFEデータ提出の重要性がさらに高まっており、LIFE対応の介護ソフトを導入することは事業運営上も不可欠となっています。
- LIFE連携対応ツールの例:カイポケ、ほのぼのNEXT、カナミック、ワイズマン等の主要介護ソフト
- 審査上のメリット:「AI・デジタル技術を活用した科学的介護の実践」として事業計画書に記載しやすく、加点評価されやすい
- 介護報酬上のメリット:科学的介護推進体制加算(III)等の介護報酬加算にも直結
介護業・福祉事業所がデジタル化・AI導入補助金を活用して導入できる主要ツールを一覧でまとめました。カテゴリ・月額費用・補助後の実質費用・おすすめ度を比較できます。
補助対象ツールの確認方法
以下の表に掲載されているツールは、2026年3月時点での情報をもとにしています。補助対象ツールは公募回ごとに更新されるため、必ずIT導入補助金事務局の公式ツール検索システムで最新情報を確認してください。詳しいベンダー一覧はIT導入補助金ベンダー一覧をご参照ください。
| ツール名 |
カテゴリ |
月額費用(目安) |
補助後の実質月額(目安) |
AI・LIFE連携 |
おすすめ度 |
| カイポケ |
介護記録・請求・経営管理 |
25,000円〜 |
約8,300円〜 (補助率2/3) |
AI-OCR・LIFE連携対応 |
★★★★★ |
| ほのぼのNEXT |
介護総合管理(ケアプラン・記録・請求) |
30,000円〜 |
約10,000円〜 (補助率2/3) |
LIFE連携・AIチェック機能 |
★★★★★ |
| カナミック |
地域包括ケア・多職種連携クラウド |
20,000円〜 |
約6,700円〜 (補助率2/3) |
LIFE連携・見守りセンサー連携 |
★★★★★ |
| ケアコラボ |
写真・動画共有型介護記録 |
10,000円〜 |
約3,300円〜 (補助率2/3) |
タグAI・LIFE対応 |
★★★★☆ |
| CareViewer |
AIケアプラン提案システム |
15,000円〜 |
約5,000円〜 (補助率2/3) |
AIケアプラン生成・LIFE連携 |
★★★★☆ |
| ワイズマン |
介護・福祉統合システム |
35,000円〜 |
約11,700円〜 (補助率2/3) |
LIFE連携・AI分析機能 |
★★★★☆ |
上記の補助後実質月額はデジタル化基盤導入枠・中小企業(補助率2/3)を想定した目安です。小規模事業者は補助率が高くなる場合があります。次のセクションから、特におすすめのツールについて詳しく解説します。
【おすすめ①】カイポケ:介護記録・請求・経営の統合管理
カイポケは、株式会社エス・エム・エス(SMS)が提供する介護専門のクラウドサービスです。介護記録・ケアプラン・介護報酬請求・経営管理をワンパッケージで提供しており、IT導入補助金の補助対象ツールとしても登録されています。全国1万5千以上の介護事業所が導入しており、導入実績・サポート体制ともに業界トップクラスです。
カイポケの主要機能
| 機能カテゴリ | 主な機能 | 介護事業所での活用メリット |
| 介護記録 | タブレット・スマホでリアルタイム入力・写真添付 | 手書き記録からの解放、記録漏れ防止 |
| ケアプラン作成 | テンプレート活用・課題分析票との連動 | ケアマネ業務の効率化・作成時間短縮 |
| 介護報酬請求 | 自動チェック・国保連伝送・返戻対応 | 請求ミス削減・返戻ゼロを目指せる |
| LIFE連携 | LIFE提出データの自動作成・送信 | 科学的介護推進体制加算の取得を支援 |
| AI-OCR | 紙の書類をスキャンしてデータ化 | 書類整理・転記作業を大幅削減 |
| 経営管理 | 稼働率・収支・人件費のリアルタイム把握 | 経営の見える化・利益改善施策の立案 |
カイポケのAI・LIFE対応が補助金審査で有利な理由
カイポケはAI-OCRによる書類デジタル化とLIFEデータ連携に対応しており、デジタル化・AI導入補助金の審査で重視される「AI機能の活用」と「科学的介護の実践」の両方を事業計画書に記載できます。また、介護報酬改定2024への対応も完了しており、制度面での不安なく導入できます。
カイポケの料金プラン
| プラン・サービス種別 | 月額(目安) | 主な機能 | おすすめ事業所 |
| デイサービス基本プラン | 25,000円〜 | 記録・請求・稼働管理・LIFE連携 | 小〜中規模デイサービス |
| 訪問介護プラン | 20,000円〜 | ヘルパー管理・記録・請求 | 訪問介護ステーション |
| 居宅介護支援プラン | 18,000円〜 | ケアプラン作成・請求・LIFE連携 | ケアマネ事業所 |
| 施設系プラン(特養・老健) | 45,000円〜 | 施設全体管理・記録・請求・LIFE連携 | 特養・老健・有料老人ホーム |
カイポケの補助額シミュレーション(小規模デイサービス)
シミュレーション①:小規模デイサービス(定員18名・カイポケ基本プラン)
補助対象経費の合計
600,000円(25,000円 × 24ヶ月)
補助金額(概算)
400,000円(600,000円 × 2/3)
自己負担額(2年間)
200,000円月換算 約8,300円相当
小規模デイサービス(定員18名・中小企業)がデジタル化基盤枠でカイポケ基本プランを申請した場合、2年間の利用料600,000円のうち約400,000円が補助されます。2年間の実質負担は200,000円(月換算8,300円)となり、介護記録から請求まで一括してデジタル化できます。
小規模事業者(従業員20名以下)に該当する場合は補助率がさらに高くなる可能性があるため、IT導入支援事業者に事前確認することをお勧めします。
こんな介護事業所にカイポケがおすすめ
- 手書き介護記録から脱却したい事業所:タブレット・スマホでの入力で記録時間を半減
- 介護報酬の返戻・過誤に悩む事業所:自動チェック機能で請求ミスをほぼゼロに
- LIFEデータ提出を効率化したい事業所:LIFE連携で科学的介護推進体制加算の取得を支援
- 経営の見える化を進めたい管理者・経営者:稼働率・収支をリアルタイムで把握し経営判断を迅速化
- デイサービス・訪問介護・居宅支援など複数サービスを運営する法人:法人全体を一つの画面で管理可能
【おすすめ②】ほのぼのNEXT:介護システムシェアNo.1の総合力
ほのぼのNEXTは、NDソフトウェア株式会社が提供する介護・福祉システムです。介護システム市場でシェアNo.1を誇り、特養・老健・デイサービス・訪問介護など幅広いサービス種別に対応した実績を持ちます。ケアプラン作成・介護記録・介護報酬請求を一体で管理できる点が最大の強みで、IT導入補助金の補助対象ツールとして登録されています。
ほのぼのNEXTの主要機能
| 機能カテゴリ | 主な機能 | 介護事業所での活用メリット |
| ケアプラン作成 | 課題分析・週間スケジュール・モニタリングまで一体管理 | ケアマネの書類作成時間を大幅短縮 |
| 介護記録 | 申し送り・バイタル・日常記録をタブレットで入力 | リアルタイム共有・申し送り漏れゼロ |
| 介護報酬請求 | 自動集計・国保連伝送・居宅・施設系全対応 | 請求業務を大幅効率化・返戻ゼロを目指せる |
| LIFE連携 | ADL・栄養・口腔・リハのLIFEデータ自動作成 | 科学的介護加算の安定取得を支援 |
| 多事業所管理 | 法人内の複数事業所を一元管理 | 本部から全拠点の状況をリアルタイム把握 |
| 見守りセンサー連携 | 主要見守りセンサーとデータ連携 | 夜勤巡視の削減・転倒リスクの早期検知 |
介護報酬改定2024対応で安心して導入できる
ほのぼのNEXTは2024年の介護報酬改定に対応しており、新設・変更された加算・減算への対応も自動でアップデートされます。制度改定のたびに追加費用なくバージョンアップされるため、長期的なコスト優位性も高いです。AI補助金の申請においても「最新の介護制度に対応したツールの導入」として積極的に事業計画書に記載できます。
ほのぼのNEXTの料金プラン
| サービス種別 | 月額(目安) | 利用者規模 | 初期費用 |
| デイサービス | 30,000円〜 | 〜50名規模 | 別途要問合せ |
| 訪問介護 | 25,000円〜 | 〜30名規模 | 別途要問合せ |
| 居宅介護支援 | 20,000円〜 | 〜40名規模 | 別途要問合せ |
| 特別養護老人ホーム | 45,000円〜 | 〜100名規模 | 別途要問合せ |
| 老人保健施設 | 45,000円〜 | 〜100名規模 | 別途要問合せ |
ほのぼのNEXTの補助額シミュレーション(特別養護老人ホーム)
シミュレーション②:特別養護老人ホーム(利用者100名・ほのぼのNEXT施設プラン)
補助対象経費の合計
1,080,000円(45,000円 × 24ヶ月)
補助金額(概算)
540,000円(上限150万円内)
自己負担額(2年間)
540,000円月換算 約22,500円相当
100床規模の特別養護老人ホームが通常枠A類型でほのぼのNEXTを申請した場合、2年間の利用料1,080,000円のうち540,000円が補助されます。月換算22,500円の負担でシェアNo.1介護システムを導入でき、LIFE連携・科学的介護加算による介護報酬増収効果と合わせると経済的なメリットは非常に大きいです。
こんな介護事業所にほのぼのNEXTがおすすめ
- 特養・老健など施設系サービスを運営する法人:施設介護の複雑な業務フローに完全対応
- LIFEデータ提出の効率化・加算取得を目指す事業所:ADL・栄養・口腔・リハの4分野のLIFEデータに完全対応
- 複数の介護サービスを一体運営する法人:デイ・訪問・居宅支援・施設を1システムで管理
- 見守りセンサーの導入を検討している事業所:主要見守りセンサーとの連携実績が豊富
- 大手介護事業者として安定した導入実績・サポートを重視する法人:業界No.1シェアならではの手厚いサポート体制
【おすすめ③】カナミック:地域包括ケア対応クラウド
カナミックは、株式会社カナミックネットワークが提供する地域包括ケア対応のクラウドサービスです。介護事業所内の業務管理にとどまらず、病院・薬局・訪問看護・ケアマネ事業所など多職種間の情報共有・連携に特化した機能が強みです。IT導入補助金の補助対象ツールとして登録されており、地域包括ケアシステムの実現を補助金とともに進めたい事業所に最適です。
カナミックの主要機能
| 機能カテゴリ | 主な機能 | 介護事業所での活用メリット |
| 多職種連携 | 病院・訪問看護・ケアマネ・薬局との情報共有 | 退院調整・サービス調整をリアルタイムで実施 |
| 介護記録 | 音声入力・写真・動画での介護記録 | 記録時間を最大60%削減 |
| LIFE連携 | LIFEデータの自動作成・送信 | 科学的介護加算の安定取得 |
| 見守りセンサー連携 | センサーデータをクラウドで一元管理 | 夜間巡視の大幅削減・転倒防止 |
| 介護報酬請求 | 自動集計・国保連伝送・各種加算対応 | 請求業務効率化・返戻削減 |
| ケアプラン共有 | 多職種でケアプランをリアルタイム閲覧・編集 | ケアチーム全員が同じ情報で動ける |
カナミックの料金と補助額シミュレーション
| プラン | 月額(目安) | 主な機能 | おすすめ規模 |
| グループホーム向け | 20,000円〜 | 記録・ケアプラン・請求・LIFE連携 | グループホーム(定員9〜18名) |
| デイサービス向け | 25,000円〜 | 記録・請求・LIFE・多職種連携 | デイサービス(定員20〜50名) |
| 地域包括連携向け | 30,000円〜 | 全機能+多職種間ネットワーク接続 | 地域包括支援センター・ケアマネ事業所 |
シミュレーション③:グループホーム(利用者18名・カナミック + 見守りセンサー連携)
月額料金(カナミック基本プラン)
30,000円月(税込)
補助対象経費の合計
720,000円(30,000円 × 24ヶ月)
補助金額(概算)
480,000円(720,000円 × 2/3)
自己負担額(2年間)
240,000円月換算 約10,000円相当
グループホーム(利用者18名・中小企業)がデジタル化基盤枠でカナミックを申請した場合、2年間の利用料720,000円のうち480,000円が補助されます。月換算10,000円の負担で多職種連携機能付きの介護クラウドを導入でき、見守りセンサー連携による夜勤負担軽減と合わせると離職率改善効果も期待できます。
こんな介護事業所にカナミックがおすすめ
- 地域包括ケアシステムに参画している事業所:病院・薬局・訪問看護との多職種連携に最適
- グループホーム・小規模多機能など認知症ケアに強い事業所:認知症の方の生活記録・行動パターン分析に対応
- 見守りセンサーを導入済みまたは検討中の事業所:センサーデータとカナミックを連携して夜間巡視を削減
- 退院調整・サービス調整を多く行うケアマネ事業所:医療機関とのリアルタイム情報共有でスムーズな調整が可能
- 地域包括支援センターを運営する法人:センター機能と居宅・施設サービスを一元管理
カイポケ・ほのぼのNEXT・カナミックに加え、介護業・福祉事業所の業務効率化と補助金活用において注目度の高い3つのツールを紹介します。これらを組み合わせることで補助対象経費の合計額が増え、より多くの補助金を受け取れます。
【おすすめ④】ケアコラボ:写真・動画で伝わる介護記録
ケアコラボは、写真・動画を活用した直感的な介護記録ツールです。テキスト入力が苦手なスタッフでも、スマートフォンで写真・動画を撮影して記録を残せることが最大の特徴です。IT導入補助金の補助対象ツールとして登録されており、ICT活用が進まない小規模事業所に特に適しています。
- 月額料金:10,000円〜(事業所規模・機能により変動)
- 補助後実質月額:約3,300円〜(補助率2/3の場合)
- AI機能:タグAI(よく使う記録タグを自動サジェスト)・写真の自動カテゴリ分類
- LIFE対応:LIFE提出データの作成補助機能あり
- 主な活用シーン:褥瘡の経過観察(写真で変化を記録)・レクリエーション記録・食事摂取状況の動画記録・申し送り情報の写真共有
介護士のITリテラシーに課題がある事業所でも、写真・動画中心の直感的な操作で導入ハードルが低い点が評価されています。詳細はIT導入支援事業者に相談してください。
【おすすめ⑤】CareViewer:AIがケアプラン草案を自動生成
CareViewerは、AIがアセスメント情報をもとにケアプランの草案を自動生成するシステムです。ケアマネの業務負担の中でも特に時間がかかるケアプラン作成を大幅に効率化できます。IT導入補助金の補助対象ツールとして登録されており、居宅介護支援事業所や施設のケアマネジャーに高い評価を受けています。
- 月額料金:15,000円〜(ライセンス数・機能により変動)
- 補助後実質月額:約5,000円〜(補助率2/3の場合)
- AI機能:AIケアプラン草案生成・課題分析AIサポート・LIFE提出データ自動作成
- 主な活用シーン:初回ケアプラン作成(アセスメント入力後にAIが草案生成)・更新ケアプランのAI提案・軽微な変更の自動反映
- AI補助金との親和性:「AIによるケアプラン作成支援」は補助金審査での加点評価が期待される最重要項目のひとつ
ケアマネ1人あたりのケアプラン作成時間を月20時間から10時間以下に短縮した事業所の報告もあり、ケアマネの離職防止・採用力強化にも貢献します。詳細はIT導入支援事業者にお問い合わせください。
【おすすめ⑥】ワイズマン:大規模施設向けの高機能統合システム
ワイズマンは、株式会社ワイズマンが提供する介護・福祉統合管理システムです。特養・老健・有料老人ホームなど大規模施設での豊富な導入実績を持ち、記録・ケアプラン・請求・人事労務・経営管理まで幅広くカバーします。IT導入補助金の補助対象ツールとして登録されており、大規模法人の統合IT化に適しています。
- 月額料金:35,000円〜(施設規模・モジュール数により変動)
- 補助後実質月額:約11,700円〜(補助率2/3の場合)
- AI機能:AI分析ダッシュボード・LIFE提出自動化・リスクアセスメントAI
- 主な活用シーン:大規模施設の全業務IT化・本部管理と現場を繋ぐ情報共有・人事労務管理との統合・経営ダッシュボードによる意思決定支援
- LIFE連携:ADL・栄養・口腔・リハビリの全LIFEカテゴリ対応
ワイズマンは機能が豊富な分、導入コストは高めですが、補助金を活用することで初期負担を大幅に軽減できます。大規模施設・複数施設を運営する社会福祉法人・株式会社法人に特におすすめです。詳細はIT導入支援事業者に相談してください。
介護業の補助金申請で成功するための3つのポイント
デジタル化・AI導入補助金の採択率は全業種平均で50〜60%前後とされていますが、介護事業所が意識すべき独自のポイントがあります。以下の3点を押さえることで採択率を大幅に向上させることができます。
ポイント①:介護業特有の加点項目を徹底的に押さえる
IT導入補助金の審査では、事業者の属性・導入目的・AI機能の活用・社会課題への対応などが加点評価される項目があります。介護業に特有の加点につながる記載ポイントを整理します。
| 加点テーマ | 介護業での具体的な記載例 | 効果 |
| LIFEデータ連携の活用 | 「LIFE連携対応ツールを導入し、科学的介護推進体制加算IIIの取得を実現する」 | 科学的介護推進としての加点 |
| AI機能の活用 | 「AIケアプラン生成機能によりケアマネ1人あたりの作成時間を月20時間から8時間に短縮する」 | AI導入補助金としての加点 |
| 人手不足対策 | 「介護記録のデジタル化で現場スタッフの残業を月40時間削減し、離職率を現在の25%から15%以下に改善する」 | 介護人材確保策として評価 |
| 夜勤体制での安全強化 | 「見守りセンサー連携で夜間巡視を80%削減し、夜勤職員の身体的負担を軽減して転倒・転落事故を防止する」 | 安全管理強化・夜勤加点 |
| 処遇改善加算との連動 | 「IT化による生産性向上で生み出した余力を職員の賃上げ原資とし、介護職員処遇改善加算IVを取得する」 | 賃上げ加点 |
| 介護報酬改定2024対応 | 「2024年介護報酬改定に対応した請求ソフトを導入し、新設加算の取得漏れ・返戻を防ぎ収入を安定させる」 | 制度対応としての評価 |
数値と介護加算の金額で示すことが採択率向上の鍵
事業計画書では「業務効率が上がる」という抽象的な記載ではなく、「介護記録時間:現在40分/日/人 → 導入後15分/日/人(62.5%削減)、スタッフ10名での年間削減時間:912時間 → 年間人件費削減:約100万円」のように数値で示すことが重要です。また、LIFE連携加算・科学的介護推進体制加算の報酬額(月額)を試算して記載することで、IT投資の回収見込みを示すことができます。
ポイント②:介護業に詳しいIT導入支援事業者を選ぶ
デジタル化・AI導入補助金の申請は、必ずIT導入支援事業者と共同で行う必要があります。IT導入支援事業者の選定は採択率に直接影響するため、介護業界の申請実績が豊富なベンダーを選ぶことが重要です。
- 介護業界の申請実績を確認:「介護事業所での導入実績何件か」「採択率は何%か」を事前に確認。カイポケ・ほのぼのNEXT等の主要介護ソフトはそれ自体がIT導入支援事業者として登録されているケースが多い
- LIFE連携・介護報酬制度への理解:介護報酬改定・LIFEデータ提出・処遇改善加算などの制度知識がある担当者を選ぶ
- 都道府県のICT導入支援事業との調整:都道府県によっては介護向けICT導入支援事業(補助金・助成金)が別途あり、国の補助金と併用できないケースがあるため、両制度を把握しているベンダーが信頼できる
- 申請後のサポート体制:採択後の実績報告・年次報告まで支援してくれるかどうかを確認
IT導入支援事業者の探し方・選び方についてはIT導入補助金ベンダー選び方ガイドで詳しく解説しています。
ポイント③:都道府県のICT導入支援事業との重複に注意する
介護業特有の注意点として、都道府県・市区町村が独自に実施している介護向けICT導入支援事業(介護テクノロジー等導入支援事業)とデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の重複申請は原則として認められません。
| 制度 | 運営主体 | 主な内容 | デジタル化・AI導入補助金との関係 |
| デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) | 国(経済産業省・中小企業庁) | 全業種対象・幅広いITツールが対象 | —(本補助金) |
| 介護テクノロジー等導入支援事業 | 都道府県 | 介護事業所向け・見守りセンサー・介護ロボット等 | 同一ツールへの重複申請は原則NG |
| 処遇改善加算・ベースアップ等加算 | 厚生労働省(介護報酬) | 介護職員の賃金改善 | 補助金との併用は可能(賃上げ加点に活用可) |
都道府県の補助金を先に使っている場合は要注意
都道府県の介護向けICT補助金でカイポケや見守りセンサーを既に導入している場合、同一システムへの国のデジタル化・AI導入補助金の申請は認められません。ただし、別の機能・別のシステムであれば申請可能な場合があります。必ずIT導入支援事業者に確認の上、申請してください。
補助金の申請スケジュールを逆算した行動計画についてはデジタル化・AI導入補助金 完全ガイドもあわせてご覧ください。
介護業の補助金活用事例
実際に介護事業所がデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を活用した事例を2つご紹介します(いずれも実際の事例をもとにした参考ケースです)。
事例①:小規模デイサービス(定員18名)がカイポケ導入で記録時間60%削減
事例①の概要
事業所情報:埼玉県内・デイサービス定員18名・スタッフ8名(管理者含む)・有限会社(中小企業)
導入ツール:カイポケ デイサービスプラン(月額25,000円)
申請枠:デジタル化基盤導入枠(補助率2/3)
補助対象経費合計:600,000円(25,000円×24ヶ月)
補助金額(概算):400,000円(600,000円×2/3)
自己負担(2年間):200,000円(月換算8,300円)
導入の経緯:スタッフ全員が手書き記録を行っており、1日の記録作業に一人あたり平均40分かかっていた。残業が慢性化しスタッフの離職が続いていたことをきっかけに、IT化を決断。カイポケのIT導入支援事業者として登録された担当者がサポートし申請。
導入後の効果:
- 介護記録時間:一人あたり平均40分/日 → 16分/日(60%削減)、スタッフ全体で月約180時間削減
- 介護報酬請求の返戻件数:月平均5件 → 月0〜1件に大幅改善
- LIFE連携加算取得:科学的介護推進体制加算IIを新たに取得(月額約20万円の介護報酬増収)
- 残業削減効果による離職率改善:年間離職率25% → 12%(翌年度実績)
- 投資回収期間:補助金受給後、LIFE加算の増収効果でほぼ即月回収
事例②:特養(100床)がほのぼのNEXT+見守りセンサーで夜勤巡視80%削減
事例②の概要
事業所情報:神奈川県内・特別養護老人ホーム100床・職員60名・社会福祉法人
導入ツール:ほのぼのNEXT 施設プラン(月額45,000円)+ 見守りセンサーシステム連携
申請枠:通常枠A類型(補助率1/2)
補助対象経費合計(ほのぼのNEXT部分):1,080,000円(45,000円×24ヶ月)
補助金額(概算):540,000円(上限150万円以内)
自己負担(2年間):540,000円(月換算22,500円)
導入の経緯:夜勤スタッフの身体的・精神的負担が大きく、夜勤専従スタッフの採用が困難な状況が続いていた。見守りセンサーの導入と同時にほのぼのNEXTへの移行を決断し、IT導入補助金を活用してコストを抑えて実現。
導入後の効果:
- 夜間巡視回数:2時間ごと(1夜勤あたり4回)→ センサー異常検知時のみ対応(80%削減)
- 転倒・転落事故件数:前年同期比40%減少(センサーによる早期検知で予防介護が実現)
- 夜勤職員の疲労度アンケート:「非常に疲れる」回答が67%から28%に改善
- 夜勤専従スタッフの離職率:15%改善(翌年度実績)、採用応募数も増加
- LIFE連携加算(ADL・栄養・口腔・リハ):全4分野で加算取得、月約80万円の介護報酬増収
まとめ:介護業のデジタル化は補助金で始めよう
本記事の要点を整理します。
- 介護業・福祉事業所はデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の重要対象業種:小規模デイサービスから特養・社会福祉法人まで幅広く申請できる
- 補助率は最大2/3〜3/4:介護記録ソフト・ケアプランAI・請求ソフト・見守りセンサー連携ツールが補助対象
- おすすめツールTOP3:カイポケ(記録・請求・経営統合)・ほのぼのNEXT(業界シェアNo.1)・カナミック(地域包括ケア・多職種連携)
- LIFE連携対応ツールで加点+介護報酬加算の二重効果:補助金の採択率向上と同時に科学的介護推進体制加算の取得で収益も向上
- 都道府県のICT導入支援事業との重複に注意:同一ツールへの二重申請は原則不可。IT導入支援事業者に事前確認を
- 最優先アクションはGビズIDプライムの申請:今すぐ手続きを開始してください
今すぐできること:3ステップで補助金申請をスタート
2
導入したいツールを選んでIT導入支援事業者に相談
介護業の申請実績があるベンダーを選ぶベンダーを選ぶことが採択率アップの鍵です。
ベンダー選び方ガイドを読む →
3
補助金制度の全体像を把握して申請に備える
制度の仕組み・スケジュール・必要書類を事前に確認しましょう。
完全ガイドを読む →
深刻な人手不足・高齢化が続く介護業界において、ITツールと助成金・補助金の活用は事業継続のために欠かせない経営戦略です。2026年のデジタル化・AI導入補助金を賢く活用し、介護事業所のデジタルトランスフォーメーションを加速させましょう。
介護業界以外の業種別補助金ガイドや関連記事については以下もあわせてご参照ください。