事業再構築補助金とは:コロナ後に生まれた大型補助制度
事業再構築補助金は、コロナ禍の影響を受けた中小企業が新分野展開・事業転換・業態転換を行う際に、その費用を補助する制度です。2021年に創設され、2026年現在も継続実施中です。補助額が最大1億円(特定枠)と大きく、AI・DX関連の新規事業を立ち上げる際に非常に活用しやすい補助制度です。
事業再構築補助金(成長枠)概要
補助率(中小)
1/2
上限額
7,000万円
DX枠(AI特化)
補助率2/3・上限3,000万円
申請条件
認定支援機関の確認必須
事業再構築補助金の申請枠の種類(2026年版)
| 申請枠 | 対象 | 補助率(中小) | 上限額 |
|---|---|---|---|
| 成長枠 | 成長市場への事業転換 | 1/2 | 7,000万円 |
| グリーン成長枠 | 環境・脱炭素分野への参入 | 1/2〜2/3 | 1億円 |
| 産業構造転換枠 | 市場縮小業種からの転換 | 2/3 | 7,000万円 |
| サプライチェーン強靭化枠 | 重要物資の国内生産回帰 | 1/2 | 3億円 |
| 最低賃金枠 | 最低賃金引き上げで影響が大きい企業 | 2/3〜3/4 | 1,500万円 |
AI関連の新規事業例:どのような事業が採択されているか
事業再構築補助金でAI関連の新規事業を立ち上げる際、採択実績のある事業類型を紹介します。自社の既存事業との関連性を示しながら、新分野への展開として計画することが重要です。
AI SaaS開発・AIサービス事業への参入
既存の業種知識を活かして、業界特化型のAI SaaSを開発・販売する事業モデルは採択事例が多いです。
- 飲食業 → 飲食店向けAI食材発注最適化SaaSを開発・販売
- 建設業 → 建設現場向けAI安全管理システムをSaaS化
- 介護業 → 介護施設向けAI見守り・記録システムの開発
- 物流業 → 中小物流会社向けAI配送ルート最適化SaaSの提供
いずれも「既存事業での課題を自社で解決したAIを、同業他社向けに商品化する」という構造であり、事業計画書が書きやすいのが特徴です。
AIデータ活用・コンサルティング事業への参入
自社が保有する業界データや顧客データをAIで分析し、コンサルティングサービスや予測レポートを提供する事業モデルも採択実績があります。
- 農業法人 → 農地・気象データのAI分析による収量予測サービス
- 小売業 → 購買データのAI分析・マーケティング支援サービス
- 製造業 → 設備稼働データのAI分析・予知保全サービス
補助率・上限額の詳細:AI事業で活用しやすい枠の選び方
事業再構築補助金でAI関連の新規事業を行う場合、申請枠の選択が補助額に大きく影響します。2026年版の各枠の特徴を解説します。
成長枠でのAI事業申請のポイント
成長枠は「成長市場」への事業転換が条件です。AIサービス・IT・DX関連市場はほぼすべて「成長市場」に該当するため、AI関連新規事業には成長枠が最も使いやすい枠です。
成長枠(AI・IT分野での申請)
補助率(中小)
1/2
補助率(中堅)
1/3
上限額
7,000万円
必要条件
賃上げ3%以上
補助対象となる経費(AI事業の場合)
事業再構築補助金で補助対象となる主な経費は以下の通りです。
| 経費区分 | AI事業での具体例 |
|---|---|
| 建物費・建物改修費 | AIサービス事業の事務所・サーバールーム改修 |
| 機械装置・システム構築費 | AIシステム開発費・AIサーバー・GPU装置 |
| 技術導入費 | AIの特許使用料・技術ライセンス料 |
| 専門家経費 | AIエンジニア外部委託費・コンサルティング費 |
| クラウドサービス費 | AIモデル開発・学習に使うクラウドGPU費用 |
| 人件費 | 補助事業に従事する新規雇用者の人件費(上限あり) |
| 広告宣伝費・販促費 | 新AIサービスの宣伝・マーケティング費 |