この記事の結論

「Difyを導入したいが、補助金は使えるのか?」という相談が増えています。結論から正直にお伝えすると、Dify単体を「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)」で直接申請するのは難しい場合が多いのが実情です。

Difyは補助金の対象になるのか?まず結論

「Difyを導入したいが、補助金は使えるのか?」という相談が増えています。結論から正直にお伝えすると、Dify単体を「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)」で直接申請するのは難しい場合が多いのが実情です。一方で、申請の組み立て方や使う制度を変えれば、Difyの導入費用が補助の対象に含まれ得るケースは十分にあります

Dify(ディファイ)は、大規模言語モデル(LLM)を使ったAIアプリやAIエージェント、社内チャットボット、業務自動化フローなどをノーコード/ローコードで構築・運用できるオープンソースのLLMOpsプラットフォームです。RAG(社内ドキュメント検索)やワークフロー自動化を比較的短期間で内製化できるため、業務効率化の中核ツールとして注目されています。

この記事のポイント

Dify単体での直接申請が難しい理由を整理したうえで、(1)業務システムとのセット申請、(2)登録IT導入支援事業者経由、(3)ものづくり補助金など別制度の活用、という3つの現実的なルートを解説します。補助率・上限・公募時期は年度ごとに変わるため、最新の公募要領をご確認ください。

本記事は2026年6月時点で公表されている各制度の枠組みをもとにした一般的な解説です。個別案件で「対象になるか」は、貴社の事業内容・導入目的・公募回によって判断が分かれます。判断に迷う場合は無料相談をご利用ください。

なぜDify「単体」での直接申請が難しいのか

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、原則としてあらかじめ事務局に登録・審査された「ITツール」と、それを取り扱う登録済みのIT導入支援事業者の組み合わせで申請する仕組みです。ここに、Dify単体での申請が難しくなる理由があります。

  • ツールが登録されていないと申請対象に乗らない:Difyはオープンソースのプラットフォームであり、特定のベンダーがパッケージとして補助金の登録ITツールにしていない場合、その構成のままでは申請の土台に乗りません。
  • 「自社で構築・運用する内製ツール」は対象外になりやすい:補助金は原則として、登録支援事業者から「導入する」費用を対象とします。Difyを自社エンジニアが自前で立ち上げて運用するだけの形は、補助対象経費として整理しづらくなります。
  • クラウド利用料・サブスク費用の扱いに制限がある:制度や公募回によって、クラウド利用料の補助対象期間や範囲が定められています。継続的な月額利用料がそのまま長期で対象になるとは限りません。

つまり「Difyというツール名で検索しても登録一覧に出てこない=補助金は一切使えない」と早合点する必要はなく、申請の組み立て方を工夫すれば補助の対象に含められる余地がある、という理解が正確です。

Difyの導入費用を補助対象に含める3つのルート

Difyを補助金の文脈で活かすには、「Dify単体を申請する」のではなく、解決したい業務課題を主役に据えて、Difyをその解決手段として位置づけるのがコツです。代表的な3つのルートを比較します。

ルート使う制度Difyの位置づけ向いているケース
①セット申請デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)登録ITツール+Dify連携の構成既存業務システムとあわせて導入したい
②支援事業者経由同上Dify活用を含むパッケージとして提供ベンダーに構築・運用を任せたい
③別制度ものづくり補助金 ほか革新的な業務プロセス構築の一部独自のAIアプリ/自動化を開発したい

共通する考え方

いずれのルートでも、審査で見られるのは「ツールの名前」ではなく「どんな業務課題を、どれだけ生産性向上につなげるか」です。Difyで何を内製化し、何時間・何人分の工数を削減するのかを数値で語れるかが鍵になります。

① 登録ITツール・業務システムとのセット申請

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)では、業務管理・販売管理・会計・予約管理といった登録済みのITツールを主軸に申請し、その業務効率化の一環としてAI活用(Difyで構築したチャットボットや自動化フロー)を組み込む構成が考えられます。Difyが連携先・付帯機能として全体ソリューションに含まれていれば、構成全体として補助の検討対象になり得ます。

このとき重要なのは、登録IT導入支援事業者と相談し、補助対象経費として整理できる範囲を事前に切り分けることです。何が対象で何が自己負担かは公募回ごとに異なるため、最新の公募要領と支援事業者の助言が欠かせません。

② Difyを組み込んだ登録IT導入支援事業者のパッケージ経由

Difyを使ってRAGチャットボットや業務自動化を提供しているITベンダーが、そのソリューションを登録ITツールとして事務局に登録している場合があります。その登録ツールを、登録IT導入支援事業者から導入する形であれば、補助金の標準的な申請フローに乗せやすくなります。

自社でDifyを一から立ち上げるのではなく、「Dify活用を含むパッケージを支援事業者から導入する」という形にすることで、内製ツールが対象外になりやすいという①の課題を回避できる可能性があります。どのベンダーがどんな登録ツールを持っているかは個別性が高いため、目的に合う提供事業者選びがポイントです。

③ ものづくり補助金など別制度での申請

Difyを使って独自のAIアプリ・AIエージェント・自動化システムを開発し、革新的な業務プロセスやサービスを構築する場合は、ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)の方が趣旨に合うことがあります。ものづくり補助金は、設備投資やシステム開発を伴う革新的な取り組みを支援する制度で、外注開発費やソフトウェア関連費が対象経費に含まれ得ます。

このほか、業務プロセスの抜本的な見直しを伴う場合は、過去に実施された事業再構築補助金のような枠組みが論点になることもあります。また、省力化・自動化が主目的であれば、中小企業省力化投資補助金(登録製品を選ぶカタログ型/オーダーメイドで審査を受ける一般型)も選択肢として検討する価値があります。どの制度が最適かは、導入の目的と規模で変わります。

Dify導入で補助金を検討するときの進め方

補助金は「ツールを買ってから探す」のではなく、計画段階で制度に合わせて設計するほど採択の可能性を高めやすくなります。おおまかな進め方は次のとおりです。

  1. 課題と効果を言語化する:「問い合わせ対応をDifyのチャットボットで自動化し、月◯時間削減」など、業務課題と数値目標をセットで整理します。
  2. 制度を選ぶ:既存システム連携ならデジタル化・AI導入補助金、独自開発ならものづくり補助金、というように目的に合う制度を見極めます。
  3. 体制を組む:デジタル化・AI導入補助金なら登録IT導入支援事業者、ものづくり補助金なら認定支援機関など、制度に応じたパートナーと進めます。
  4. 最新の公募要領を確認する:補助率・補助上限・対象経費・公募時期は年度ごと・公募回ごとに変わります。必ず最新の公募要領をご確認ください。

よくある誤解

「AIツールだから自動で補助対象」「申請すれば必ず採択される」ということはありません。補助金は審査を伴う競争的な制度であり、採択は保証されません。誇大な表現にまどわされず、事業計画の中身で勝負することが大切です。

どの制度が自社に合うか分からない、Difyで何をどう書けば審査で評価されるかが不安、という段階でこそ専門家への相談が有効です。無料相談では、貴社の状況に合わせて使える可能性のある制度を一緒に整理します。