勤怠管理システムはデジタル化・AI導入補助金で導入できる?【結論】

勤怠管理システムの導入を検討しており、補助金を活用したいとお考えの事業者の方にまず結論をお伝えします。勤怠管理システムはデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象ツールとして申請可能です。KING OF TIME・ジョブカン勤怠管理・楽楽勤怠・SmartHR・freee人事労務など、主要な勤怠管理システムのほとんどがIT導入支援事業者によって補助対象ツールとして登録されています。

勤怠管理システム×補助金活用の結論

主要な勤怠管理システムはデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の補助対象ツールとして登録されており、クラウド利用料(最大2年分)が補助されます。補助率は中小企業で1/2〜3/4、小規模事業者で3/4が目安です。手書きタイムカードやExcelによる勤怠管理からのDX化として申請することで、審査での評価も高くなります。

デジタル化・AI導入補助金は2024年度以降にIT導入補助金から実質的に名称変更・機能強化された制度です。勤怠管理システムは「汎用プロセス(バックオフィス業務)」に分類されますが、GPS打刻・生体認証・シフト自動作成AI・残業アラートなどのAI機能を搭載するツールは補助金審査で「AI活用による業務効率化」として説明しやすく、採択率も高い傾向があります。

申請パターン補助率補助上限目安対象企業規模
小規模事業者(通常枠)3/4150万円商業・サービス業5名以下、製造業20名以下
中小企業(通常枠・A類型)1/2150〜450万円中小企業基本法の中小企業
複数ツール組み合わせ(B類型)3/4450万円勤怠+給与+労務の一括DX
インボイス枠(小規模)3/450万円個人事業主・フリーランス

補助対象となる勤怠管理システムの条件

デジタル化・AI導入補助金で勤怠管理システムを申請するには、IT導入支援事業者がそのツールを「登録ツール」として事前登録していることが前提条件です。主要な勤怠管理システム(KING OF TIME・ジョブカン・楽楽勤怠・SmartHR・freee人事労務等)はいずれもIT導入支援事業者として登録済みのため、基本的に補助申請が可能です。

補助対象となる主な経費は以下の通りです。

  • クラウドサービスの利用料:月額・年額の利用料金(最大2年分24ヶ月分が補助対象)
  • 導入・設定費用:初期セットアップ・システム設定・データ移行費用
  • 研修・サポート費用:管理者向け操作研修・ヘルプデスクサポート費用
  • ハードウェア費用:ICカードリーダー・指紋認証・顔認証端末などの打刻デバイス(補助率1/2・別途上限あり)

登録状況は公募回ごとに更新される

IT導入支援事業者・登録ツールの一覧は補助金の公募回ごとに更新されます。申請前にIT補助金ポータル(it-shien.smrj.go.jp)の最新公募要領で、希望するツールが登録済みであることを必ず確認してください。

2026年のデジタル化・AI導入補助金における勤怠管理の位置づけ

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の2026年版では、勤怠管理システムは「汎用プロセス(経費精算・勤怠管理・給与計算等のバックオフィス業務)」に分類されます。単独申請のほか、給与計算・労務管理ツールとの組み合わせによるB類型(補助率3/4)での申請も有力な戦略です。

  • AI機能への補助が明確化:シフト自動作成AI・残業予測AI・勤怠異常検知AIなどのAI機能も補助対象として認められやすくなった
  • クラウド利用料2年分が補助対象:初年度だけでなく2年分の月額料金を補助対象経費に含めることが可能
  • 賃金引上げ計画との連動加点:AI勤怠管理による業務効率化で捻出した原資を従業員の賃金引上げに充てる計画を記載すると審査加点の可能性あり
  • 建設業・ビルメン・介護業での需要増:現場作業員の勤怠DXへの補助金活用が各業種で活発化している

IT導入補助金以外で使える勤怠管理向け補助金・助成金

勤怠管理システムの導入にはデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が最も直接的な補助制度ですが、それ以外にも活用できる可能性がある補助金・助成金があります。

  • 業務改善助成金(厚生労働省)
    中小企業・小規模事業者が生産性向上のための設備投資等を行い、事業場内最低賃金を引き上げた場合に支給される助成金です。勤怠管理システムの導入費用が助成金の対象経費になる場合があります。補助率3/4〜9/10、上限は引き上げ人数・コースにより30〜600万円。IT導入補助金との同一経費への重複申請はNGですが、異なる経費への適用は可能です。
  • 人材確保等支援助成金(厚生労働省)
    雇用管理制度の整備・改善を行った企業を支援する助成金です。勤怠管理システムの導入による労働時間管理・有給休暇取得促進の取り組みが助成金の対象になる場合があります。
  • キャリアアップ助成金(厚生労働省)
    非正規雇用労働者の正社員化・処遇改善を支援する助成金です。勤怠管理システムで非正規雇用者の労働時間を適切に管理し、処遇改善計画と連動させることで申請できる場合があります。
  • 都道府県・市区町村の独自補助金
    各自治体がDX推進・中小企業支援を目的として独自の補助金・助成金を設けている場合があります。東京都・大阪府・愛知県等の大都市圏では特に充実したDX補助金が設定されているケースがあります。

補助金と助成金の違い

補助金は採択審査があり倍率が存在しますが、助成金は要件を満たせば基本的に全員が受給できます。勤怠管理システム導入では、採択競争のある補助金(IT導入補助金等)と要件充足で受給できる助成金(業務改善助成金等)の両方を検討することが、コスト最適化の観点から重要です。

勤怠管理システム 補助金対象ツール徹底比較表(2026年版)

主要な勤怠管理システム6製品を、料金・補助金対応・主な機能・向いている企業規模の観点で比較します。補助金申請の視点から最適なツールを選ぶための参考にしてください。

最新料金・登録状況は公式サイトで確認を

以下の料金・機能情報は2026年3月時点の参考値です。キャンペーン価格や機能追加が行われている場合があります。補助金申請では見積書に基づいた正確な金額が必要になるため、申請前に各社の最新情報を確認してください。

ツール名 月額料金 IT導入支援事業者 AI・主要機能 向いている企業 補助申請のしやすさ
KING OF TIME 300円/人(税別)
全機能込み・初期費用0円
ヒューマンテクノロジーズ(登録済み) 打刻20種以上・シフト自動作成AI・GPS打刻・生体認証・残業アラート・36協定管理 1名〜中堅企業(特に10〜200名)、現場系業種 ◎ 直接申請可能・実績豊富
ジョブカン勤怠管理 200円/人〜(税別)
機能モジュール選択制
DONUTS(登録済み) シフト最適化AI・残業アラート・給与連携・労務管理・経費・ワークフロー一体型 10名〜中堅企業(バックオフィス統合を狙う企業) ◎ 直接申請可能・統合型で評価高
楽楽勤怠 30,000円〜/月(税別)
企業規模により変動
ラクス(登録済み) 楽楽シリーズ連携(精算・明細)・シフト管理・外国人対応・多言語対応 50名以上の中堅〜大企業、多拠点企業 ○ 直接申請可能・大企業向け実績豊富
SmartHR 要問合せ
従業員数・機能により変動
SmartHR(登録状況要確認) 人事労務クラウドNo.1・勤怠+年末調整+電子申請+タレントマネジメント一体型 30名〜大企業(人事労務DX全体を狙う企業) ○ 人事労務一体型として評価高
freee人事労務 2,000円/人〜(税別)
freee会計との完全連携
freee(登録済み) 給与計算自動化・年末調整・マイナンバー管理・freee会計連携・電子申請 中小企業(freee会計ユーザー・個人事業主〜50名規模) ◎ 会計との組み合わせでB類型申請も有力
勤革時 250円/人(税別)
生体認証対応・中小企業向け
登録状況要確認 生体認証(指紋・顔)・GPS打刻・シフト管理・残業アラート・コスト重視設計 10〜100名規模の中小企業(建設・製造・介護) △ 登録状況要確認

比較表の見方:補助金視点での3つの判断ポイント

補助金を活用して勤怠管理システムを導入する際、以下の3つの観点で比較することが重要です。

  • IT導入支援事業者への登録状況
    補助金申請の絶対条件です。「登録済み」のツールのみ申請可能。公募回ごとに更新されるため、申請前に必ずIT補助金ポータルで確認してください。
  • AI機能・DX効果の説明しやすさ
    事業計画書では「AI活用による業務効率化の定量的な効果」を記載する必要があります。シフト自動作成AI・残業予測・生体認証・GPS打刻など、AI機能が豊富なツールほど採択率が高まります。
  • 給与計算・労務管理との一体性
    勤怠管理単体よりも、給与計算・年末調整・労務申請が一体化したツールはB類型(補助率3/4・上限450万円)での申請に有利です。ジョブカン・SmartHR・freee人事労務はこの観点で特に強みがあります。

業種別推奨ツール:建設業・介護業・製造業・物流業の場合

業種によって最適な勤怠管理システムは異なります。デジタル化・AI導入補助金の事業計画書では「業種固有の課題」を明記することで採択率が高まります。

業種主な課題推奨ツール・機能補助金申請での訴求ポイント
建設業・工事業複数現場の出退勤管理、紙の作業日報、残業管理の煩雑さKING OF TIME(GPS打刻・顔認証)「現場ごとのGPS打刻によるリアルタイム労務管理DX」を定量値で記載
医療・介護・福祉夜勤シフト管理、変形労働時間制、有給消化率管理KING OF TIME / ジョブカン(シフト管理特化)「夜勤・変形労働時間制の自動集計によるミス削減」「有給消化率向上」を記載
製造業ライン別・工程別の作業時間記録、残業時間の把握困難、外国人労働者管理楽楽勤怠(多言語対応)/ KING OF TIME(指紋認証)「工程別作業時間の自動記録による原価管理精度向上」を記載
物流・運輸ドライバーの出退勤管理、拠点間の勤怠統合、改善基準告示対応KING OF TIME(スマホGPS打刻)「ドライバーのGPS打刻による改善基準告示対応・法令コンプライアンス強化」を記載
ビルメンテナンス業複数施設の現場管理、シフト管理の複雑さ、夜間・深夜対応KING OF TIME / ジョブカン(シフト+残業管理)「複数施設一元管理による現場勤怠DX・36協定管理自動化」を記載
小売・飲食・サービスアルバイト・パートのシフト管理、時間単位有給、複数店舗の統合管理ジョブカン / KING OF TIME(ICカード打刻)「アルバイト含む全就業形態の統合管理・シフト自動作成AIによる担当者工数削減」を記載

KING OF TIMEの補助金詳細:最安水準の料金×AI機能で最大活用

KING OF TIME(キングオブタイム)は株式会社ヒューマンテクノロジーズが開発・運営するクラウド勤怠管理システムです。利用ID数380万以上・導入社数5万社以上という国内最大シェアを誇り、月額300円/人という業界最安水準の料金体系が最大の特徴です。デジタル化・AI導入補助金と組み合わせることで、非常に低コストでの導入が実現します。

KING OF TIME 補助金活用のポイント

ヒューマンテクノロジーズはIT導入支援事業者として登録済みで、直接申請が可能です。業界最安水準の月額300円/人に補助率を適用することで、実質的な導入コストを大幅に圧縮できます。ICカードリーダー・指紋認証端末・顔認証端末などの打刻デバイスもハードウェア補助の対象です。

KING OF TIME 対象枠と補助率

KING OF TIMEで申請する場合の補助枠・補助率の目安は以下の通りです。

申請枠補助率補助上限主な対象
A類型(通常枠・小規模事業者)3/4150万円商業・サービス業5名以下、製造業20名以下
A類型(通常枠・中小企業)1/2150〜450万円上記以外の中小企業
B類型(複数ツール)3/4450万円給与ソフト等との組み合わせ申請
インボイス枠3/450万円個人事業主・インボイス登録事業者

KING OF TIMEの特長として、打刻方法が20種類以上(業界最多水準)であることが挙げられます。PCブラウザ・スマホアプリ・ICカード・指紋認証・顔認証・GPS・LINE打刻など多様な打刻方法に対応し、現場作業員が多い建設業・製造業・医療介護業など、パソコンを常時使わない業種での勤怠管理DXに特に高い需要があります。

KING OF TIME 費用シミュレーション(30名・中小企業)

KING OF TIME 補助額シミュレーション(従業員30名・中小企業)

月額利用料

9,000円300円 × 30名(税別)

2年分(24ヶ月)の利用料

216,000円9,000円 × 24ヶ月

補助率(中小企業・通常枠)

1/2小規模事業者は3/4

補助金額(概算)

108,000円216,000円 × 1/2

自己負担額(概算)

108,000円2年間の実質負担

月換算の実質コスト

4,500円1人あたり月150円

従業員30名の中小企業がKING OF TIMEを補助金で導入した場合、2年間の総コスト216,000円のうち108,000円が補助され、自己負担は月4,500円(1人月150円)という驚異的なコストパフォーマンスになります。小規模事業者(補助率3/4)であれば自己負担はさらに圧縮できます。

KING OF TIMEについての詳細はKING OF TIMEのデジタル化・AI導入補助金活用ガイドをご参照ください。

ジョブカン勤怠管理の補助金詳細:バックオフィス統合でB類型を狙える

ジョブカン勤怠管理は株式会社DONUTSが提供するクラウド型勤怠管理システムです。勤怠管理単体での利用だけでなく、ジョブカン給与計算・ジョブカン労務HR・ジョブカン経費精算・ジョブカンワークフローとのシームレスな連携が最大の強みです。バックオフィス全体を1つのベンダーで統合管理できる点が、補助金申請においても高い評価につながります。

ジョブカン 補助金活用のポイント

DONUTSはIT導入支援事業者として登録済みです。ジョブカン勤怠管理の月額200円/人〜という低コスト設計に加え、勤怠+給与+労務+経費を一括でB類型申請することで補助率3/4・上限450万円という大きな補助額が狙えます。バックオフィスDXを一気に推進したい企業に最適です。

ジョブカン勤怠管理 対象枠と補助率

ジョブカン勤怠管理の料金体系は機能モジュール選択制で、基本的な勤怠管理機能は月額200円/人〜から利用できます。追加機能(シフト管理・休暇管理等)は別途モジュールを追加することで対応します。

申請パターン補助率補助上限対象ツールの組み合わせ
勤怠管理単体(A類型・中小企業)1/2150〜450万円ジョブカン勤怠管理のみ
勤怠管理単体(A類型・小規模事業者)3/4150万円ジョブカン勤怠管理のみ
バックオフィス統合(B類型)3/4450万円勤怠+給与+労務+経費を一括申請

ジョブカンの強みはシフト最適化AI・AIによる残業予測・経費OCR(統合利用時)など、AI機能が勤怠管理だけでなくバックオフィス全体に広がっていることです。これにより事業計画書で「AI活用によるバックオフィス全体の効率化」として包括的に説明できます。ジョブカンの補助金活用詳細もあわせてご確認ください。

ジョブカン勤怠管理 費用シミュレーション(50名・中小企業)

ジョブカン勤怠管理 補助額シミュレーション(従業員50名・中小企業)

月額利用料(基本モジュール)

15,000円300円 × 50名(標準プラン想定)

2年分(24ヶ月)の利用料

360,000円15,000円 × 24ヶ月

補助率(中小企業・A類型)

1/2B類型なら3/4

補助金額(概算・A類型)

180,000円360,000円 × 1/2

自己負担額(概算・A類型)

180,000円2年間の実質負担

B類型(給与・労務統合)の場合の補助率

3/4上限450万円まで大幅増額

従業員50名の中小企業がジョブカン勤怠管理をA類型で申請した場合、2年間の総コスト360,000円のうち180,000円が補助される計算です。さらに給与計算・労務管理を追加してB類型(補助率3/4)で申請すれば、補助額は最大270,000円(対勤怠分のみの概算)に増加し、バックオフィス全体への補助額は大幅に拡大します。

楽楽勤怠の補助金詳細:中堅〜大企業向け楽楽シリーズ連携の強み

楽楽勤怠は株式会社ラクスが提供するクラウド勤怠管理システムです。同社の楽楽精算(経費精算)・楽楽明細(Web明細)・楽楽販売(販売管理)とのシームレスな連携が特徴で、中堅〜大企業での一体的なバックオフィスDXに強みを持ちます。月額30,000円〜という料金体系から、50名以上の中堅企業・多拠点企業での導入に適しています。

楽楽勤怠 補助金活用のポイント

ラクスはIT導入支援事業者として登録済みです。楽楽シリーズを複数組み合わせてB類型(補助率3/4・上限450万円)で申請することで、大規模な投資に対する補助額を最大化できます。外国人・多言語対応が充実しており、製造業・物流業・ビルメンテナンス業での採択実績も豊富です。

楽楽勤怠 対象枠と補助率

楽楽勤怠の料金は企業規模・機能構成によって変動し、月額30,000円(税別)が基本スタート価格です。100名以上の中堅企業では月額50,000〜100,000円程度が一般的な目安となります。

申請パターン補助率補助上限対象ツールの組み合わせ
楽楽勤怠単体(A類型・中小企業)1/2最大450万円楽楽勤怠のみ
楽楽シリーズ統合(B類型)3/4450万円楽楽勤怠+楽楽精算+楽楽明細を一括申請
小規模事業者枠3/4150万円50名以下の小規模での申請

楽楽勤怠の補助金申請における評価ポイントは、多言語対応・外国人労働者の勤怠管理です。外国人を多く雇用する製造業・物流業・農業では、多言語インターフェースによる勤怠DX効果を事業計画書に記載することで、審査での加点が期待できます。

楽楽勤怠 費用シミュレーション(100名・中堅企業)

楽楽勤怠 補助額シミュレーション(従業員100名・中堅企業)

月額利用料(100名規模想定)

50,000円月額目安(税別・要見積もり)

2年分(24ヶ月)の利用料

1,200,000円50,000円 × 24ヶ月

補助率(中小企業・A類型)

1/2楽楽シリーズ統合B類型なら3/4

補助金額(概算・A類型)

600,000円1,200,000円 × 1/2

自己負担額(概算・A類型)

600,000円2年間の実質負担

B類型(シリーズ統合)の場合の補助率

3/4上限450万円・シリーズ全体の補助額が大幅増

従業員100名の中堅企業が楽楽勤怠をA類型で申請した場合、2年間の総コスト1,200,000円のうち600,000円が補助される計算です。楽楽精算・楽楽明細と組み合わせてB類型(補助率3/4)で申請すれば、バックオフィス全体への補助額は上限450万円まで大幅に拡大します。中堅企業での大規模なDX投資において、補助金との組み合わせが非常に効果的です。

勤怠管理システムの補助金申請で気をつけること

勤怠管理システムでデジタル化・AI導入補助金を申請する際に特に注意すべきポイントをまとめます。補助金は申請要件を満たした上で正しい手順で進めることが重要です。失敗しないために以下の注意点をしっかりと確認してください。

勤怠管理は「汎用プロセス」分類:申請時の注意点

デジタル化・AI導入補助金において、勤怠管理システムは「汎用プロセス(バックオフィス業務)」に分類されます。この分類では以下の点に注意が必要です。

  • 採択前に契約・支払いをしない
    補助金の交付決定通知が届く前に勤怠管理システムを契約・支払いしてしまうと、補助対象外になります。無料トライアルで機能確認→補助金申請→交付決定通知→正式契約の順序を必ず守ってください。
  • 既利用ツールへの遡及補助はNG
    申請時点ですでに有料プランで利用中の勤怠管理システムへの補助は受けられません。これから新規導入するシステム、または機能追加・グレードアップが補助の対象です。
  • 事業計画書の効果を必ず数値化する
    「勤怠管理が効率化される」という抽象的な記述ではなく、「月次勤怠集計作業:20時間→2時間に削減(時給2,500円換算で月4.5万円の労務費削減)」のように具体的な数値での記載が採択率向上の鍵です。
  • SECURITY ACTION宣言で加点を取る
    IPAのSECURITY ACTION「★★二つ星」の宣言を行うことで審査加点が得られます。オンラインで即日完了できるため、申請前に必ず行ってください。
  • 賃金引上げ計画を事業計画書に盛り込む
    勤怠管理の効率化で捻出したコスト・時間を従業員の賃金引上げに充てる計画を記載することで審査加点が期待できます。事業場内最低賃金の引上げ目標を具体的に記載してください。

GビズIDプライムの取得は最優先で

デジタル化・AI導入補助金の申請にはGビズIDプライムが必須です。法人の場合は登記情報・印鑑証明書が必要で、郵送での本人確認に2〜4週間かかります。補助金の公募締切から逆算して早めに申請してください。補助金の申請手順完全ガイドもあわせてご参照ください。

人事労務ツールとの組み合わせでB類型(補助率3/4)を狙う

勤怠管理システム単体での申請はA類型(補助率1/2〜3/4)が基本ですが、給与計算・労務管理・人事管理ツールと組み合わせてB類型(補助率3/4・上限450万円)で申請することで、補助額を大幅に増やすことができます。

組み合わせパターン推奨ツール組み合わせ補助率効果
勤怠+給与計算KING OF TIME + freee人事労務 / KING OF TIME + マネーフォワードクラウド給与3/4(B類型)給与締め作業の完全自動化・担当者の月10〜20時間削減
勤怠+労務+年末調整ジョブカン勤怠+ジョブカン労務 / SmartHR(一体型)3/4(B類型)社会保険手続き・年末調整の電子化・紙作業ゼロ
勤怠+経費精算ジョブカン勤怠+ジョブカン経費 / 楽楽勤怠+楽楽精算3/4(B類型)交通費・経費申請の完全電子化・不正申請防止
バックオフィス全体統合ジョブカン全シリーズ / SmartHR + freee会計3/4(B類型)全バックオフィス業務の一元管理・データ連携自動化

特にSmartHRは人事労務クラウドNo.1として、勤怠管理・年末調整・電子申請・タレントマネジメントが一体化した総合型HRプラットフォームです。SmartHRの補助金活用ガイドもあわせてご参照ください。また、freee人事労務はfreee会計との完全連携により、給与計算から会計処理まで自動化できます。freeeユーザー企業には特に有力な選択肢です。

B類型申請には各社IT導入支援事業者間の連携が必要

異なるベンダーのツールを組み合わせてB類型で申請する場合、各社のIT導入支援事業者が共同で申請手続きを行う必要があります。同一ベンダー内の統合型ツール(ジョブカン全シリーズ、SmartHR等)のほうが申請手続きがシンプルです。詳しくはIT導入支援事業者の選び方を参照してください。

勤怠管理システム選びのポイント:補助金視点での3つの基準

デジタル化・AI導入補助金を活用して勤怠管理システムを選ぶ際、通常の機能比較に加えて補助金視点での3つの基準を意識することが重要です。適切なツールと申請戦略を選ぶことで、コストを最大限に抑えながら最大の業務効率化効果を得ることができます。

基準1:IT導入支援事業者登録の確認と申請実績の多さ

補助金申請の最大前提はIT導入支援事業者が登録済みであることです。登録されていないツールは補助金の申請対象外になります。さらに、IT導入支援事業者としての申請実績が多い事業者を選ぶことで、採択率が向上します。

  • 確認方法:IT補助金ポータル(it-shien.smrj.go.jp)でツール名・事業者名を検索し、現在の公募回で登録済みであることを確認
  • 申請実績の確認:各ベンダーの公式サイトやセミナー資料で過去の採択実績・採択率を確認
  • サポート体制の確認:事業計画書の作成サポート・申請手続きのサポートが充実しているベンダーを選ぶと安心

KING OF TIMEのヒューマンテクノロジーズ・ジョブカンのDONUTS・楽楽勤怠のラクスはいずれもIT導入支援事業者として長期間登録を維持しており、申請サポートも充実しています。

基準2:AI機能の充実度と事業計画書での説明しやすさ

デジタル化・AI導入補助金の名称が示す通り、AI機能の活用が審査で評価されやすい傾向があります。以下のAI機能が充実しているツールほど事業計画書で具体的な効果を説明しやすく、採択率が高まります。

  • シフト自動作成AI:過去のシフトデータ・希望・スキルを分析してシフトを自動生成。シフト作成時間を80〜90%削減できるとアピール可能
  • 残業予測・アラートAI:リアルタイムで残業時間を予測し、36協定違反リスクをアラート。人的ミスによる法令違反リスクをゼロに近づける効果を数値化可能
  • 生体認証(顔認証・指紋認証):なりすまし打刻・代理打刻の防止。「不正打刻防止による人件費削減効果」として定量化可能
  • GPS打刻・位置情報記録:現場での正確な出退勤記録。建設業・ビルメン・物流業での「現場労務管理DX」として特に有効

これらのAI機能は、事業計画書の「導入前の課題」「導入後の期待効果(定量値)」を記載する上で具体的な数値を示しやすく、採択率向上に直結します。

基準3:自社の業種・規模に最適なツールの選定

補助金視点での最適なツールは、自社の業種・従業員規模・現在の課題によって異なります。以下の早見表を参考に選定してください。

企業規模・業種推奨ツール推奨申請枠主な理由
1〜30名・製造業・建設業KING OF TIME小規模事業者枠(3/4)GPS・生体認証対応・月300円の低コスト・補助後の実質負担最小
10〜50名・小売・飲食・サービス業KING OF TIME / ジョブカン勤怠管理A類型または小規模事業者枠シフト管理・アルバイト管理・多様な打刻方法
30〜100名・バックオフィス統合を狙うジョブカン全シリーズ / SmartHRB類型(3/4・上限450万円)勤怠+給与+労務を一括DX・補助額最大化
50〜200名・中堅企業・多拠点楽楽勤怠 / SmartHRB類型またはA類型楽楽シリーズ連携・外国人対応・多拠点管理
freee会計利用中の企業freee人事労務B類型(freee会計との統合)会計〜給与〜勤怠のデータが完全自動連携
個人事業主・フリーランスfreee人事労務 / ジョブカン(小規模)インボイス枠(3/4・上限50万円)インボイス登録済みの個人事業主が対象

自社に最適なIT導入支援事業者の選び方についてはIT導入支援事業者の選び方ガイドをご参照ください。また、個人事業主向けの補助金活用については個人事業主のデジタル化・AI導入補助金活用ガイドで詳しく解説しています。

補助金申請の具体的な流れ:勤怠管理システム導入のStep 1〜5

勤怠管理システムでデジタル化・AI導入補助金を申請する場合の基本的な手順です。

  1. Step 1:GビズIDプライムを取得する(3〜4週間)
    法人・個人事業主ともにGビズIDプライムが申請の必須要件です。登記情報・印鑑証明書が必要で郵送確認に2〜4週間かかるため、最優先で手続きしてください。
  2. Step 2:SECURITY ACTION「★★二つ星」を宣言する(即日)
    IPAのSECURITY ACTIONでセキュリティ対策の自己宣言を行います。審査加点が得られるため「★★二つ星」宣言を強く推奨します。オンラインで即日完了できます。
  3. Step 3:IT導入支援事業者に相談・見積もりを依頼する
    導入を希望する勤怠管理システム(KING OF TIME・ジョブカン・楽楽勤怠等)のIT導入支援事業者に「デジタル化・AI導入補助金での申請を希望」と伝え、見積書(補助金申請用)を取得します。複数のツールを比較検討している場合は、この段階で補助金申請の最適戦略(A類型/B類型、組み合わせツール)を相談することが重要です。
  4. Step 4:事業計画書を作成して申請する(採択まで1〜2ヶ月)
    ITSSポータルで事業計画書を作成し、IT導入支援事業者と共同で申請します。勤怠管理の事業計画書では「手書きタイムカード/Excelによる月次集計作業時間(現状)→クラウド勤怠管理導入後の削減時間(目標)」を数値で記載することが採択率向上の最重要ポイントです。
  5. Step 5:採択・交付決定後に契約→実績報告(2〜3ヶ月後)
    補助金の交付決定通知を受け取ってから、勤怠管理システムと正式契約・支払いを行います。交付決定前の契約・支払いは補助対象外になるため絶対に注意してください。導入後は所定の期間内に実績報告書を提出します。

採択後の実績報告では効果測定データが必須

補助金の最終交付を受けるには実績報告書の提出が必要です。導入前の勤怠集計時間・残業管理コスト・ミス件数などを記録しておき、導入後と比較できる状態にしておいてください。「事業計画書で設定した目標値と実績値の対比」が報告書のコアになります。

まとめ:勤怠管理システムのデジタル化・AI導入補助金活用ポイント

勤怠管理システムとデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の活用について、本記事の要点をまとめます。

  • 主要な勤怠管理システムはほぼ全て補助金対象:KING OF TIME・ジョブカン勤怠管理・楽楽勤怠・SmartHR・freee人事労務はいずれもIT導入支援事業者として登録済みで補助申請可能です。申請前に最新の登録状況を確認してください。
  • 補助率は1/2〜3/4、最大2年分のクラウド利用料が対象:中小企業は補助率1/2、小規模事業者は3/4が目安。クラウド利用料の最大2年分(24ヶ月分)が補助対象経費になります。
  • 給与・労務ツールとの組み合わせでB類型(3/4・450万円)を狙える:ジョブカン全シリーズ・SmartHR・freee人事労務+会計など、バックオフィス全体を一括DXする申請で補助額が最大化します。
  • AI機能の充実度が採択率に直結:シフト自動作成AI・残業予測・生体認証・GPS打刻など、AI機能が豊富なツールほど事業計画書で具体的な効果を説明しやすく採択率が向上します。
  • 建設業・ビルメン・介護業はGPS・生体認証対応ツールが有力:現場作業員が多い業種では、GPS打刻・指紋認証・顔認証に対応したKING OF TIMEが特に補助金申請での評価が高い傾向があります。
  • 採択前の契約は絶対NG:補助金の交付決定通知が届く前にツールを契約・支払いすると補助対象外になります。無料トライアルで機能確認後、採択を待って正式契約してください。

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補助金制度全体の仕組みを理解したい方はデジタル化・AI導入補助金2026年版 完全ガイドを、KING OF TIMEの詳細を知りたい方はKING OF TIME補助金活用ガイドを、IT導入支援事業者の選び方はIT導入支援事業者の選び方ガイドをご参照ください。

勤怠管理システムの補助金申請は、手書きタイムカード・Excelによる勤怠管理から脱却し、従業員の労働時間・残業・有給休暇を正確かつ効率的に管理するための絶好の機会です。補助金を最大限に活用して、自社に最適な勤怠管理DXを実現してください。

補助金申請前のチェックリスト

勤怠管理システムのデジタル化・AI導入補助金を申請する前に、以下のチェックリストで準備状況を確認してください。

  • GビズIDプライムを取得済み(または申請中)
  • SECURITY ACTION「★★二つ星」の宣言を完了
  • 導入希望ツールのIT導入支援事業者がIT補助金ポータルに登録済みであることを確認
  • 補助金申請用の見積書をIT導入支援事業者から取得
  • 現状の勤怠管理課題(月次集計時間・残業管理コスト等)を数値で把握
  • 事業計画書の「導入効果(定量値)」を数値で設定済み
  • A類型とB類型のどちらが有利か確認済み(給与・労務との組み合わせ検討)
  • 賃金引上げ計画を事業計画書に盛り込む準備
  • 採択前に契約・支払いをしないことを関係者に周知

デジタル化・AI導入補助金の制度全体について詳しく知りたい方はデジタル化・AI導入補助金2026年版 完全ガイドをご参照ください。また、IT導入支援事業者の選び方はIT導入支援事業者の選び方で詳しく解説しています。