人事労務・HRシステムはデジタル化・AI導入補助金で導入できる?

結論から言えば、主要な人事労務・HRシステムはデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)のIT導入支援事業者として登録済みであり、補助金を使って低コストで導入できます。SmartHR・freee人事労務・ジョブカン労務HR・オフィスステーション・マネーフォワードクラウド人事管理といった主要な人事労務SaaSはいずれも補助対象ツールとして確認でき、補助率2/3の適用で自己負担を大幅に圧縮することが可能です。

2026年現在、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」として制度が整理・拡充されました。社会保険手続き・年末調整・給与明細の電子化といった人事労務業務のデジタル化はこの補助金の典型的な補助対象であり、月額SaaSが最長2年分(24ヶ月)補助される仕組みです。特に従業員数が多い企業ほど月額料金が大きくなり、補助金の絶対額も増加するため、人事労務システムは補助金活用の効果が出やすい分野のひとつです。

人事労務の補助金活用3大メリット

1. 月額SaaS×従業員数×2年間が補助対象:人事労務システムは従業員数に比例して月額料金が上がるため、補助対象経費の合計が大きくなりやすく、補助金総額も増加する
2. ペーパーレス化・電子申請対応で審査加点:社会保険手続きの電子申請・年末調整のWeb完結・給与明細のペーパーレス化は補助金審査で加点評価される
3. AI分析機能で追加加点が狙える:AI離職予測・AI配置最適化・従業員サーベイAI分析など、AI機能を活用した人材管理の高度化を事業計画書に記載することで採択率が向上する

ただし、給与計算機能が「汎用プロセス」に分類されるケースでは、単体申請が認められない場合があります。この点も含め、後述の注意点セクションで詳しく説明します。制度の全体像については【2026年版】デジタル化・AI導入補助金 完全ガイドもあわせてご覧ください。

人事労務が対象となる申請枠と補助率

デジタル化・AI導入補助金において、人事労務・HRシステムが主に申請できる枠は以下の2〜3つです。どの枠で申請するかによって補助率と補助上限額が変わります。

申請枠補助率補助上限額主な対象人事労務システムの適合性
デジタル化基盤導入枠(通常)1/2〜2/3最大350万円会計・給与・人事・受発注・決済等のSaaS◎(主力枠)
通常枠(A類型)1/2最大150万円業務効率化SaaS全般○(社保手続き・勤怠連携時)
通常枠(B類型)1/2最大450万円複数ツールの連携・大規模導入○(勤怠管理等と組み合わせ時)
インボイス枠(小規模)最大3/4最大50万円インボイス対応SaaS△(給与明細・費用精算連携が必要)

中小企業・法人が人事労務システムを導入する際は、「デジタル化基盤導入枠」が最もよく使われる枠です。給与計算・人事管理・社会保険手続きといったバックオフィス業務のSaaSはこの枠の典型的な補助対象であり、月額SaaSの料金が2年間補助されます。補助率2/3で試算すると自己負担を1/3まで圧縮できます。

AI機能搭載の人事労務システムが補助金審査で有利な理由

デジタル化・AI導入補助金(2026年版)ではAI機能の活用が審査基準として重要視されています。人事労務システムのAI機能を事業計画書に盛り込むことで、採択率が大きく向上します。

  • AI離職予測・エンゲージメント分析:従業員サーベイのAI分析で離職リスクを数値化し、定着率改善計画と連動させた記載が有効
  • AI配置最適化:スキルデータ・パフォーマンスデータを元にしたAI配置提案による生産性向上効果を月次工数で示す
  • 社会保険手続きの自動化・電子申請AI支援:手続き書類の自動生成・e-Gov連携による申請工数の削減時間を数値化する
  • 年末調整・入退社手続きのWeb完結:紙・メール作業の廃止による担当者の月次削減工数を記載する
  • AI給与明細配信・マイナンバー管理自動化:ペーパーレス化による印刷・郵送コストの廃止と配信工数の削減効果を示す

事業計画書での「AI機能活用」の書き方(人事労務版)

「AI搭載の人事労務システムを導入することで、月間50枚の社会保険手続き書類の作成作業を月20時間から3時間以下に削減できる。従業員サーベイAI分析により離職予測精度が向上し、年間採用コスト(1名当たり50万円)の削減が見込める。年末調整のWeb化により従業員1人当たり平均2時間の入力作業をゼロにし、HR担当者の集計・確認時間を40時間から5時間以下に短縮する。削減した合計工数を採用・育成・エンゲージメント施策に振り向け、生産性15%向上を目標とする。」というように、具体的な数値とAI機能の因果関係を示すことが採択率向上のポイントです。

AI補助金・助成金の申請ポイントについての詳細はデジタル化・AI導入補助金完全ガイドをご参照ください。

人事労務・HRシステム5製品を補助金視点で一覧比較

主要な人事労務・HRシステム5製品について、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の申請という観点で徹底比較します。月額料金・対象枠・補助率・おすすめ度・特徴をひと目で確認できます。

製品名 月額料金(税別) 対象枠 補助率 補助後月額(概算) おすすめ度 主な特徴
SmartHR 要問合せ(600円/人〜目安) デジタル化基盤 1/2〜2/3 約200円/人〜 ★★★★★ 人事労務SaaSシェアNo.1・年末調整・入退社手続きWeb完結・従業員サーベイ
freee人事労務 2,000円〜+400円/人 デジタル化基盤 1/2〜2/3 約667円〜+133円/人 ★★★★★ freee会計との一体運用・給与計算・年末調整・マイナンバー管理
ジョブカン労務HR 400円/人〜(無料プランあり) デジタル化基盤 1/2〜2/3 約133円/人〜 ★★★★☆ ジョブカンシリーズ連携・社保手続き自動化・帳票自動作成・電子申請
オフィスステーション 440円/人〜 デジタル化基盤 1/2〜2/3 約147円/人〜 ★★★★☆ 社会保険手続き特化・e-Gov電子申請対応・行政書類自動作成
マネーフォワードクラウド人事管理 5,980円〜+従業員単価 デジタル化基盤 1/2〜2/3 約1,993円〜 ★★★★☆ マネーフォワードシリーズ連携・人事データ一元管理・勤怠・給与との統合

比較表の見方と注意点

「補助後月額(概算)」はデジタル化基盤導入枠の補助率2/3を適用した場合の目安です。人事労務システムは従業員数に応じて月額が変動するため、実際の補助額は申請枠・事業者規模・従業員数・公募回によって異なります。SmartHRは公開料金がなく要問合せのため、目安として600円/人を使用しています。補助金は後払い(先払い後に振り込み)であるため、初期の資金繰りにも注意が必要です。

各製品の詳細な補助金シミュレーションは以下のセクションをご確認ください。人事労務と組み合わせが多い勤怠管理システムについては勤怠管理システム補助金比較記事もあわせてご参照ください。

比較表の見方と補助金申請時のポイント

人事労務・HRシステム5製品の補助金申請サポート体制と対応状況を比較します。補助金申請の成否に直結するIT導入支援事業者としての登録状況と、申請サポートの充実度を確認してください。

製品名IT導入支援事業者登録申請窓口申請サポート体制電子申請対応AI機能
SmartHR○(SmartHR社)SmartHR公式サイト◎(公式が直接サポート)○(e-Gov連携)○(サーベイAI分析)
freee人事労務○(freee株式会社)freee公式サイト◎(公式が直接サポート)○(マイナンバー対応)○(AI給与明細)
ジョブカン労務HR○(DONUTS社)ジョブカン公式○(専任サポート)○(e-Gov電子申請)△(自動化機能中心)
オフィスステーション○(エフアンドエム社)オフィスステーション公式○(専任サポート)◎(社保手続き特化)△(書類AI生成)
マネーフォワードクラウド人事管理○(マネーフォワード社)マネーフォワード公式◎(公式が直接サポート)○(e-Gov連携)○(データ分析)

SmartHR:人事労務SaaSシェアNo.1の補助金活用法

SmartHRは株式会社SmartHRが提供する人事労務SaaSで、導入企業60,000社以上・人事労務SaaSシェアNo.1を誇る国内最大規模の人事労務システムです。入退社手続き・年末調整・社会保険手続きをWebで完結できるのが最大の特徴で、ペーパーレス化・電子申請対応により担当者の手作業工数を大幅に削減できます。

SmartHRはデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の補助対象ツールとして登録されており、IT導入支援事業者として補助金申請のサポートを受けることができます。従業員サーベイ・人事データ分析・AI離職予測といったHR機能も充実しており、補助金審査における「AI機能の活用」をアピールしやすい製品です。また、SmartHRはペーパーレス化・電子申請対応を強みとしているため、補助金審査での加点要素が多く、採択率が高い製品のひとつです。

SmartHRの対象枠と補助率:シェアNo.1の安心感で申請サポートも充実

SmartHRで申請できる主な枠は「デジタル化基盤導入枠」です。月額料金が従業員数に応じて変動するため、企業規模が大きいほど補助金の絶対額も増加します。SmartHRは公開料金がなく要問合せですが、目安として600円/人〜が参考値として広く使われています。

申請枠対象事業者補助率補助上限備考
デジタル化基盤導入枠中小企業・法人全般2/3350万円主力申請枠。給与計算・社保手続き含む
通常枠 A類型中小企業・法人1/2150万円勤怠管理等との組み合わせ申請時
通常枠 B類型中小企業・法人1/2450万円ジョブカン勤怠・給与等と複数組み合わせ時
  • デジタル化基盤導入枠:SmartHRの主力申請枠。社会保険手続き・年末調整・入退社手続きのデジタル化が補助要件を満たす。補助率2/3・上限350万円
  • AI機能の活用が加点要素:従業員サーベイのAI分析・人事データのダッシュボード化・AI離職予測を事業計画書に記載することで採択率向上が期待できる
  • 組み合わせ申請:SmartHRに勤怠管理(ジョブカン勤怠等)や給与計算ソフトを組み合わせて申請することで補助対象経費の合計を増やすことが可能

SmartHRの費用シミュレーション:30人・100人企業の補助金試算

シミュレーション①:SmartHR 従業員30人・2年間(デジタル化基盤枠)

月額料金(目安)

18,000円月(600円/人 × 30人)

補助対象期間

24ヶ月分(最大)

補助対象経費の合計

432,000円(18,000円 × 24ヶ月)

補助率(デジタル化基盤枠・中小企業)

2/3中小企業標準

補助金額(概算)

288,000円(432,000円 × 2/3)

自己負担額(2年間)

144,000円月換算 約6,000円

シミュレーション②:SmartHR 従業員100人・2年間(デジタル化基盤枠)

月額料金(目安)

60,000円月(600円/人 × 100人)

補助対象期間

24ヶ月分(最大)

補助対象経費の合計

1,440,000円(60,000円 × 24ヶ月)

補助率(デジタル化基盤枠・中小企業)

2/3中小企業標準

補助金額(概算)

960,000円(1,440,000円 × 2/3)

自己負担額(2年間)

480,000円月換算 約20,000円

従業員100人規模でSmartHRをデジタル化基盤導入枠(補助率2/3)で申請した場合、補助金総額は約96万円、2年間の自己負担は約48万円(月換算2万円)まで圧縮できます。通常の月額60,000円から67%削減に相当し、人事労務担当者の業務工数削減と合わせて非常に大きなROIが期待できます。

SmartHRで補助金申請する際のコツ

SmartHRで人事労務の補助金を申請する際に押さえておくべきポイントを解説します。

  • 社会保険手続きの電子化実績を数値化する:月間の社保手続き件数・現在の手作業時間・SmartHR導入後の削減時間を事業計画書に具体的に記載することで審査評価が上がる
  • 年末調整のWeb化を主要効果として示す:従業員1人当たり年末調整の入力・回収・集計にかかる工数をゼロにする計画を、従業員数×工数で数値化する
  • 従業員サーベイAI機能を審査アピールに活用する:SmartHRの従業員サーベイ・エンゲージメント分析機能は補助金審査での「AI補助金」要件に合致するため事業計画書に必ず記載する
  • ジョブカン勤怠管理との組み合わせ申請を検討する:SmartHRと連携する勤怠管理ツールを同時申請することで補助対象経費の合計が増加し補助金の絶対額も増える

freee人事労務:会計連携のバックオフィス一体化で補助金最大活用

freee人事労務はfreee株式会社が提供する人事労務SaaSで、freee会計との一体運用が最大の特徴です。給与計算・年末調整・社会保険手続き・マイナンバー管理・勤怠管理を一つのプラットフォームで完結できるため、会計・経費まで含めたバックオフィス全体のデジタル化を目指す企業に適しています。

freee株式会社はIT導入支援事業者として登録済みであり、freee人事労務もデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の補助対象ツールとして登録されています。freee会計と同時に申請することで補助対象経費の合計を増やすことができ、補助金の絶対額を最大化しやすい製品です。また、freeeは公式サイトで補助金申請のサポートを提供しており、申請手続きの負担を軽減できます。

freee人事労務の対象枠と補助率:freee会計との組み合わせで補助額最大化

freee人事労務は「デジタル化基盤導入枠」が主力の申請枠です。プランはミニマム・スターター・スタンダードの3プランがあり、従業員数と必要な機能に応じて選択します。

プラン名月額基本料(税別)従業員単価(税別)主な機能補助金申請
ミニマム2,000円400円/人給与計算・年末調整・マイナンバー管理
スターター3,980円600円/人ミニマム全機能+社保手続き・勤怠管理○(推奨)
スタンダード8,080円800円/人スターター全機能+従業員向けマイページ・ワークフロー○(大規模向け)
  • freee会計との組み合わせ申請:freee人事労務+freee会計を同時にデジタル化基盤導入枠で申請することで補助対象経費の合計が大幅に増加し、補助金の絶対額も増える
  • マイナンバー管理機能:freee人事労務のマイナンバー収集・保管機能はコンプライアンス対応として補助金審査でアピールしやすい
  • freee公式の申請サポート:freee公式が補助金申請のフローを整備しており、申請書類の準備・事業計画書作成のサポートを受けられる

freee人事労務の費用シミュレーション:ミニマム10人・スタンダード30人の比較

シミュレーション①:freee人事労務 ミニマムプラン(従業員10人・2年間)

月額料金(税別)

6,000円月(基本2,000円+400円×10人)

補助対象期間

24ヶ月分(最大)

補助対象経費の合計

144,000円(6,000円 × 24ヶ月)

補助率(デジタル化基盤枠・中小企業)

2/3中小企業標準

補助金額(概算)

96,000円(144,000円 × 2/3)

自己負担額(2年間)

48,000円月換算 約2,000円

シミュレーション②:freee人事労務 スタンダードプラン(従業員30人・2年間)

月額料金(税別)

32,080円月(基本8,080円+800円×30人)

補助対象期間

24ヶ月分(最大)

補助対象経費の合計

769,920円(32,080円 × 24ヶ月)

補助率(デジタル化基盤枠・中小企業)

2/3中小企業標準

補助金額(概算)

513,280円(769,920円 × 2/3)

自己負担額(2年間)

256,640円月換算 約10,693円

freee人事労務スタンダードプラン(30人、月額32,080円)をデジタル化基盤導入枠(補助率2/3)で申請した場合、補助金総額は約51万円、2年間の自己負担は約25万円(月換算10,693円)まで圧縮できます。さらにfreee会計(月額5,480円)を同時申請すると、追加で約87,680円の補助が受けられます。

freeeは人事労務・会計・請求書の複数製品を組み合わせた申請で補助対象経費の合計を最大化できます。詳しくはデジタル化・AI導入補助金完全ガイドをご参照ください。

freee人事労務で補助金申請する際のコツ

freee人事労務で補助金申請を進める際の重要ポイントを解説します。

  • freee会計との同時申請で補助額を最大化する:freeeはバックオフィス一体型が強みのため、会計+人事労務の同時申請が最もコストパフォーマンスが高い
  • マイナンバー管理のコンプライアンス効果を記載する:マイナンバーの適切な収集・保管・廃棄管理によるリスク削減効果は補助金審査での評価ポイントになる
  • 給与計算の自動化工数削減を数値で示す:毎月の給与計算にかかっている時間(現状)→freee人事労務導入後の削減工数を月次で試算し事業計画書に記載する
  • freee公式の補助金サポートページを活用する:freeeは公式サイトで補助金申請フローを公開しており、必要書類・申請タイムラインを確認してから手続きを開始する

ジョブカン労務HR:シリーズ連携で人事業務を網羅する低コスト戦略

ジョブカン労務HRは株式会社DONUTSが提供する人事労務SaaSで、月額400円/人〜の業界最低水準の価格帯と5名まで無料のフリープランが特徴です。ジョブカン勤怠管理・ジョブカン給与計算・ジョブカンワークフローとのシリーズ連携により、人事労務に関わる業務をジョブカン製品でワンストップで対応できる点が強みです。

ジョブカン労務HRはデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の補助対象ツールとして登録されており、社会保険手続きの自動化・帳票の自動作成・e-Gov電子申請対応が補助金審査での評価ポイントになります。低価格で人事労務のデジタル化を始めたい中小企業や、ジョブカン勤怠管理をすでに使っている企業が人事労務機能を追加する際に特に向いています。

ジョブカン労務HRの対象枠と補助率:シリーズ連携申請で補助額を増やすコツ

ジョブカン労務HRの料金体系は月額400円/人〜(最低5人から)で、5名以下の小規模事業者は無料プランを利用できます。有料プランの補助金申請では月額400円/人が補助対象経費の基準となります。

プラン月額料金従業員数主な機能補助金申請
無料プラン0円5名まで社保手続き・帳票作成(基本)△(有料プランへの移行が必要)
有料プラン400円/人6名〜社保手続き・帳票自動作成・e-Gov電子申請・マイナンバー管理
  • ジョブカンシリーズ連携申請:ジョブカン労務HR+ジョブカン勤怠管理(200円/人〜)+ジョブカン給与計算(400円/人〜)を同時申請することで補助対象経費の合計が大幅に増加する
  • e-Gov電子申請の工数削減効果:社会保険手続きをe-Gov経由で電子申請する際の書類作成・提出工数の削減は補助金審査の加点要素として評価される
  • 帳票自動作成による業務効率化:入退社手続き・社保手続きで必要な帳票が自動生成されるため、担当者の作業時間削減効果を事業計画書に記載しやすい

ジョブカン労務HRの費用シミュレーション:20人・50人企業の試算

シミュレーション①:ジョブカン労務HR 従業員20人・2年間(有料プラン)

月額料金(税別)

8,000円月(400円/人 × 20人)

補助対象期間

24ヶ月分(最大)

補助対象経費の合計

192,000円(8,000円 × 24ヶ月)

補助率(デジタル化基盤枠・中小企業)

2/3中小企業標準

補助金額(概算)

128,000円(192,000円 × 2/3)

自己負担額(2年間)

64,000円月換算 約2,667円

シミュレーション②:ジョブカン労務HR+勤怠管理 従業員50人・2年間(組み合わせ申請)

月額料金合計(税別)

30,000円月(労務HR 400円×50人 + 勤怠200円×50人)

補助対象期間

24ヶ月分(最大)

補助対象経費の合計

720,000円(30,000円 × 24ヶ月)

補助率(デジタル化基盤枠・中小企業)

2/3中小企業標準

補助金額(概算)

480,000円(720,000円 × 2/3)

自己負担額(2年間)

240,000円月換算 約10,000円

ジョブカン労務HR+勤怠管理のセット(50人、月額30,000円)をデジタル化基盤導入枠(補助率2/3)で申請した場合、補助金総額は約48万円、2年間の自己負担は約24万円(月換算10,000円)まで圧縮できます。ジョブカンシリーズの低単価と補助率2/3の組み合わせは、コスト重視の中小企業に特に有利な選択肢です。

ジョブカン労務HRで補助金申請する際のコツ

ジョブカン労務HRで補助金申請を進める際の重要ポイントを解説します。

  • 無料プランから有料プランへの移行タイミングに注意:無料プランの利用料は補助対象外。交付決定後に有料プランへ移行(または新規契約)する形で申請する必要がある
  • ジョブカンシリーズ連携申請が最もコスト効率が高い:勤怠管理・給与計算・ワークフローを同時申請することで、人事労務業務全体のデジタル化として申請できる
  • e-Gov電子申請の活用を前面に出す:社会保険手続きのe-Gov電子申請対応は補助金審査でのアピールポイント。年間の申請件数と削減工数を計算して記載する
  • 帳票自動作成による紙・印刷コストの廃止効果も記載する:入退社書類・社保手続き書類の自動生成により年間印刷コストと郵送コストがどの程度削減されるかを試算する

人事労務システムを補助金で導入する際の注意点

人事労務システムでデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を申請する際には、会計ソフトと同様にいくつかの注意点があります。特に従業員数の計算方法・給与計算機能の取り扱い・データ移行費用の扱いは見落としがちなポイントです。申請前に必ず確認してください。

注意点①:従業員数×月額の計算方法(補助対象の上限に注意)

人事労務システムは従業員数に応じた従量課金型が多いため、補助対象経費の計算が複雑になることがあります。

  • 申請時点の従業員数が基準:交付申請時の従業員数を基に月額料金を算出し、補助対象経費(月額×24ヶ月)を計算する。申請後に従業員が増えても補助額は原則変わらない
  • 補助上限額に注意:従業員数が多い大企業・中堅企業では月額料金が大きくなるが、補助上限額(デジタル化基盤導入枠は最大350万円目安)を超えた分は補助されない
  • パート・アルバイトの取り扱い確認:パートタイム・アルバイトが補助対象経費の従業員数に含まれるかどうかは製品・プランによって異なる。IT導入支援事業者に事前確認が必要
  • 月額変動への対応:期中に従業員が増減した場合の月額変動が補助対象経費にどう影響するかを事前に確認しておく

注意点②:給与計算機能は「汎用プロセス」分類の可能性(単体申請不可の場合)

IT導入補助金の通常枠(A類型・B類型)では、給与計算・人事管理といった一般的なバックオフィス業務は「汎用プロセス」に分類される場合があります。汎用プロセス単体での申請は採択されにくい傾向があります。

給与計算・人事労務の汎用プロセス問題への対策

対策①:デジタル化基盤導入枠で申請する:給与・人事・社保・受発注・決済等のSaaS専用枠。通常枠の汎用プロセス問題が発生しにくい。
対策②:勤怠管理・給与計算と組み合わせて申請する:人事労務HR単体ではなく、勤怠管理・給与計算・経費精算と組み合わせることで「人事業務全体のデジタル化」として申請できる。
対策③:AI機能・電子申請の活用を前面に出す:e-Gov電子申請・AI分析・ペーパーレス化による具体的な生産性向上効果を数値化し、「デジタル化・AI活用」の文脈で申請する。

申請枠の判断についてはデジタル化・AI導入補助金完全ガイドでも解説しています。

注意点③:既存システムからのデータ移行・初期設定費用の取り扱い

人事労務システムの導入では、既存の給与計算ソフトや旧システムからのデータ移行・初期設定費用が発生することが多いです。これらの費用の補助金上の取り扱いに注意が必要です。

  • データ移行費用は補助対象になる場合がある:IT導入補助金では、導入するSaaSの利用料だけでなく、関連する導入支援費(初期設定・データ移行・研修等)も補助対象経費に含められる場合がある。ただし金額に上限があるため、IT導入支援事業者に確認が必要
  • IT導入支援事業者が提供するサービスが対象:補助対象になるのはIT導入支援事業者が提供する導入支援サービスのみ。自社作業による移行コストは対象外
  • 社会保険労務士への委託費は別途補助制度を確認:社会保険労務士への人事労務相談・手続き代行費は人事労務の補助金対象外。ただし、別途の助成金・補助金制度が適用できる場合がある

注意点④:交付決定前の契約は補助対象外・よくある失敗パターン

補助金の基本原則として、交付決定通知を受け取る前に有料プランを契約・利用開始した経費は補助対象外になります。人事労務システムでよくある失敗パターンを整理します。

人事労務の補助金申請でよくある失敗パターン

失敗①:無料トライアル後にそのまま有料に移行してしまった:無料トライアル終了後に自動的に有料プランへ移行した場合、「交付決定前の契約」として補助対象外になることがある。必ず交付決定後に正式契約する。
失敗②:従業員数の確認不足で補助額の見積もりが狂った:申請時から実際の利用開始まで時間がかかり、その間に従業員が増減した場合に補助対象経費の計算がずれることがある。
失敗③:給与計算ソフトを同時申請したがIT導入支援事業者が別でサポートが複雑になった:複数製品を同時申請する際は同一のIT導入支援事業者を通じて申請するか、各ベンダーのサポート体制を事前確認すること。
失敗④:助成金との重複申請で後から返還請求を受けた:都道府県・市区町村の人材育成助成金など、同一経費に対する複数の補助金・助成金の重複申請は禁止。異なる経費への適用なら可能。

人事労務システムの選び方ガイド:3ステップで最適な製品を選ぶ

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を活用して人事労務システムを導入する際は、補助金の取りやすさと自社業務への適合性の両方から製品を選ぶことが重要です。3つのステップで最適な製品を選ぶ方法を解説します。

Step1:従業員数と必要な機能範囲の整理(給与計算含む/別等)

人事労務システムの選定では、まず自社の従業員数と「何の機能が必要か」を整理することが最初のステップです。

  • 社会保険手続き・年末調整・入退社手続きのみ必要:SmartHR・オフィスステーション・ジョブカン労務HRが候補。給与計算は別のソフトで対応
  • 給与計算まで含めたワンストップ対応が必要:freee人事労務・マネーフォワードクラウド人事管理が候補。給与計算・年末調整・社保手続きを一体で管理
  • 勤怠管理との連携が重要:ジョブカン労務HR(ジョブカン勤怠と連携)・freee人事労務(freee勤怠と連携)が候補
  • HR分析・従業員サーベイも必要:SmartHR・マネーフォワードクラウド人事管理が候補。AI分析・人材データ活用まで見据えた選択
従業員数おすすめ製品理由
5人以下ジョブカン労務HR(無料)無料プランで基本機能をカバー。将来の有料化時に補助金申請が可能
6〜30人freee人事労務 ミニマム / ジョブカン有料低コストでバックオフィス一体型または低単価系を選択
30〜100人SmartHR / freee人事労務 スタンダードシェアNo.1の安心感・HR分析機能・組み合わせ申請で補助額最大化
100人以上SmartHR / マネーフォワードクラウド人事管理大規模人事データ管理・AI分析・ERPとの統合が可能

Step2:既存の会計・勤怠ソフトとの連携確認

人事労務システムは単体で完結するのではなく、既存の会計ソフトや勤怠管理ツールとのデータ連携が業務効率に直結します。補助金申請の観点でも、連携製品を同時申請できるかどうかは補助額の大きさに影響します。

  • freee会計を使っている場合:freee人事労務との一体運用が最も連携がスムーズ。同一ベンダーのため補助金の同時申請も容易
  • マネーフォワードクラウド会計を使っている場合:マネーフォワードクラウド人事管理との連携が最も深い。給与計算・勤怠・経費まで統合できる
  • 弥生・勘定奉行を使っている場合:SmartHR・ジョブカン労務HR・オフィスステーションはCSV連携または連携API経由での対応が可能。連携深度を事前確認が必要
  • ジョブカン勤怠管理を使っている場合:ジョブカン労務HRとの組み合わせが最もデータ連携が深く、補助金の同時申請も同一ベンダーで容易

タイプ別おすすめ人事労務システム

シェアNo.1・安心感重視 → SmartHR(60,000社以上の導入実績)
freee会計との連携・バックオフィス一体化 → freee人事労務
低コスト・ジョブカンシリーズ連携 → ジョブカン労務HR
社会保険手続き特化・e-Gov電子申請対応 → オフィスステーション
マネーフォワードシリーズとの統合・中堅企業 → マネーフォワードクラウド人事管理

Step3:IT導入支援事業者の導入支援体制確認

人事労務システムの補助金申請で最終的に採択率を左右するのが、IT導入支援事業者(各ベンダーまたは代理店)の申請サポート体制です。以下のポイントを確認してください。

  • 自社が申請できる枠の確認:デジタル化基盤導入枠・通常枠A類型・B類型のうち、自社の業種・規模・導入ツールの組み合わせでどの枠が最も有利かを事前確認する
  • 事業計画書の作成サポートの有無:補助金採択の成否は事業計画書の品質に大きく依存する。ベンダーまたは中小企業診断士・社会保険労務士への相談サポートが充実しているかを確認する
  • GビズIDプライムの取得状況確認:補助金申請ポータルへのログインにはGビズIDプライムが必須。取得に2〜4週間かかるため最優先で手続きを開始する
  • 申請から補助金受給までのスケジュール確認:交付申請→採択通知→交付決定→利用開始→実績報告→補助金受給の流れと目安期間をIT導入支援事業者に確認してから導入計画を立てる

まとめ:人事労務システムの補助金申請は5ステップで着実に

本記事の要点を整理します。

  • 主要な人事労務・HRシステム5製品はすべて補助金対象:SmartHR・freee人事労務・ジョブカン労務HR・オフィスステーション・マネーフォワードクラウド人事管理はいずれもデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の補助対象ツールとして登録済み
  • 従業員数が多いほど補助金の絶対額も増える:人事労務システムは従業員数×月額が補助対象経費になるため、100人規模では補助金総額が96万円以上になるケースも(SmartHR、補助率2/3の場合)
  • AI機能・電子申請・ペーパーレス化が採択のカギ:これら3要素を事業計画書で数値を使って具体的に示すことで採択率が向上する。特にAI補助金・助成金としての申請に有利
  • 給与計算の汎用プロセス問題に注意:通常枠では単体申請が不利なケースがある。デジタル化基盤導入枠か勤怠管理等との組み合わせ申請を検討する
  • 同一ベンダーのシリーズ製品で組み合わせ申請が最もスムーズ:freeeはfreeeシリーズ、マネーフォワードはマネーフォワードシリーズ、ジョブカンはジョブカンシリーズで同時申請すると申請手続きが一本化できる
  • 交付決定前の契約・利用開始は厳禁:補助金の後払い原則を守り、GビズIDプライムの取得を最優先で進める

5ステップ:人事労務システムの補助金申請手順

Step1:GビズIDプライムの申請を開始する(取得まで最大4週間)
Step2:IT導入支援事業者(各ベンダー公式または代理店)に相談し、申請枠と補助対象経費を確認する
Step3:事業計画書(AI機能活用・業務改善効果の数値化)を作成する
Step4:公募期間中に交付申請(IT導入支援事業者と共同で申請ポータルから申請)
Step5:交付決定通知を受け取ってから人事労務システムを正式契約・利用開始する

制度の全体像についてはデジタル化・AI導入補助金完全ガイドを、GビズID取得についてはGビズIDプライム登録ガイドを、AI機能搭載ツールの補助金についてはAI補助率・助成金上限の解説記事を、勤怠管理システムとの組み合わせについては勤怠管理システム補助金比較をそれぞれご参照ください。

人事労務システムの補助金申請チェックリスト:申請前に確認すべき10項目

人事労務・HRシステムのデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)申請を始める前に、以下のチェックリストで準備状況を確認してください。

#確認項目状態備考
1GビズIDプライムの申請を開始している□ 完了 / □ 未着手取得まで最大4週間。最優先で手続きを
2導入したい人事労務システムがIT導入補助金対象ツールとして登録されているか確認した□ 確認済み / □ 未確認IT導入補助金ポータルのツール検索で確認
3申請時点の従業員数(パート・アルバイト含む)と月額の計算方法を確認した□ 確認済み / □ 未確認補助対象経費の正確な計算のために必須
4申請する枠(デジタル化基盤枠・通常枠等)を確認した□ 確認済み / □ 未確認IT導入支援事業者に相談して決定
5AI機能・電子申請・ペーパーレス化の具体的な活用計画を数値化した□ 完了 / □ 未着手削減工数・削減件数を月次で算出
6既存の会計・勤怠ソフトとの連携可否を確認した□ 確認済み / □ 未確認組み合わせ申請の前提として必須
7補助対象経費の合計と補助額の概算を試算した□ 完了 / □ 未着手月額×24ヶ月×補助率で概算算出
8補助金は後払いのため、初期支払いの資金を用意できるか確認した□ 確認済み / □ 要検討必要な場合は補助金つなぎ融資も検討
9事業計画書(人事労務効率化・AI活用計画)の草案を作成した□ 完了 / □ 未着手ベンダーや社会保険労務士のサポートを活用
10交付決定前に人事労務システムを契約・利用開始しないことを確認した□ 理解済み大原則。違反すると補助対象外になる